2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロ7量体膜孔形成毒素の精密構造、形成機序並びに細胞崩壊機構の解明
Project/Area Number |
15380054
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
神尾 好是 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00109175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 淳 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30221188)
樋口 秀男 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90165093)
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Keywords | 黄色ブドウ球菌 / γ-ヘモリジン / 2成分性溶血毒素 / 膜孔形成機構 / 標的細胞認識 |
Research Abstract |
研究代表者らにより、世界に先駆け黄色ブドウ球菌毒素の標的細胞崩壊機構のリアルタイムでの解明に威力を発揮した「1分子計測技術」を用いて、標的細胞膜上における水可溶LukFのプレステム領域の水不溶ステムヘの劇的な構造変化を伴うステムの標的細胞膜貫通機構を解明した。さらに『プレスム保有ヘテロ7量中間体』を発見し,BADAN蛍光色素標識毒素成分を調製すると共にHlg2成分共同での膜孔形過程を追求し、プレステムからステムへの移行タイミングを決定した.具体的には、以下の実験により膜孔の形成時のリアルタイムでの可視化に成功した。 1.Hlg2のT29残基のCys変異体を作製した。次に、Hlg2(T29C)へのnitrobenzyl bromide (NB)への導入誘導体を作製した。本誘導体は、NBが遊離しない限りLukFとは結合しない。 2.LukFのT117残基(T117は本来ステムになる領域に存在する残基であるが、モノマー状態ではLukFのキャップ領域に結合してプレステム状態になっている)のCys残基への変換体を作製した。本変異体に、疎水環境に置かれてのみ蛍光を発する蛍光色素BADAN(387nm exitation/520nm emission)を導入した。 3.上記2種類の誘導体を赤血球ゴースト膜上で混合し、387nmの波長をフラッシュした。すぐに520nmで発光を追跡した。紫外線によるHlg2からのNBの遊離すると、BADAN-LukF誘導体とHlg2が集合し7量中間体形成後、膜上でプレステムからステムが形成され、これが疎水性の膜に突き刺さった時点で発光が生じるのでこれを「一分子技術」で観察した。生じた蛍光を倒立蛍光顕微鏡下で超高感度カメラで経時的に観測して蛍光強度を定量化した。
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Research Products
(2 results)