2003 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物におけるジャスモン酸のシグナル伝達機構の解明
Project/Area Number |
15380080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山根 久和 東京大学, 生物生産工学研究センター, 教授 (80090520)
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Keywords | ジャスモン酸 / エリシター / フィトアレキシン / 12-オキソフィトジエン酸還元酵素 / ジテルペン環化酵素 / オリザレキシンS / イネ / 病害抵抗性 |
Research Abstract |
本研究は、高等植物において病原菌感染シグナルの伝達物質として機能することが示されているジャスモン酸(JA)のシグナル伝達機構の全貌を解明することを究極的な目的とする。 1 イネから申請者らが単離したOsOPR1(JA生合成酵素の一つである12-オキソフィトジエン酸還元酵素をコードしている)について、ホタルルシフェラーゼ遺伝子をレポーター遺伝子として用いた5'-デリーション解析を行い、OsOPR1の翻訳開始点上流800-1000bpの領域に2個のTGACGモチーフが存在し、これらがJA応答性のシスエレメントとして機能していることを明らかにした。これにより、これらのエレメントに結合すると考えられるTGAファミリーの転写因子がOsOPR1の転写制御に関与していることが強く示唆された。 2 申請者は、すでにイネの主要フィトアレキシングループの一つである(-)-phytocassanesの生合成酵素遺伝子をコードしているent-cassa-12,15-diene合成酵素遺伝子を単離しているが、その研究過程でもう1種の同族体遺伝子OsDTC2の存在も明らかになった。そこで、OsDTC2cDNAの単離・機能解析を行い、OsDTC2がオリザレキシンSの生合成に関与するstemar-13-ene合成酵素をコードしていることを明らかにした。また、ジテルペン炭化水素からフィトアレキシンへの変換を触媒するP-450酵素遺伝子KO4についてもその遺伝子産物の機能解析を酵母を用いて行っている。 3 申請者らがyeast three-hybrid systemを用いて単離した、ダイズ培養細胞由来JA受容体候補タンパク質遺伝子(prk1と仮称)について、その遺伝子産物であるPRK1の大量発現系を構築した。今後各種JA誘導体に対する結合活性など諸性質を詳細に解析していく予定である。
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