2005 Fiscal Year Annual Research Report
テルペン関連合成酵素の機能解析および新規機能性環化酵素の創製
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15380081
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
星野 力 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30165542)
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Keywords | squalene / Mycobacterium tuerculosis / diterpene / halimane / hopene / cation / π-interaction / sesquiterpne / dorimane |
Research Abstract |
今年度は、1)結核菌由来の新規ジテルペン合成酵素Rv3377c及びRv3378c遺伝子産物の機能解析、2)スクアレン環化酵素(SHC)によるジオール体及び短鎖・長鎖アナログからの新規テルペン化合物の創製及びカチオン/π相互作用の証明、3)スクアレン合成酵素の機能解析を取り上げて下記の成果を得た。 (1)Rv3377cはgeranylgeranyl diphosphateの基質からハリマン骨格をもつジテルペン環化酵素であり、そのDDXD配列がMg^<2+>とdiphosphateのリンカーとしての機能を有する事などを明らかにした。また、このジテルペンは新規化合物であったので、tuberculosinol(TB-OH)と命名した(Chem.Commun.,1016-1018、2005)。 (2)Rv3378c遺伝子は、TB-PPを脱リン酸化反応を触媒する酵素であり、TB-OHと二重結合が移動したTB-OHの構造異性体を生産した。 (3)SHCの基質認識機構を探るため、スクアレンジオール体(6R,7R),(10R、11R)及びそれらのエナンチオマーとの反応産物の構造解析及びその生成比率を調べる事によって、SHCの立体化学的制御機構を探った(Org.Biomol.Chem.3, 3127-3139,2005)。 (4)SHCの長鎖アナログC35の酵素反応を検討した。生成物は3環性及び4環性化合物のみであった。この結果は6環性化合物が生成すると他の研究グループが報告したことと異なる。その生成機構を考察した(TEAC討論会講演要旨集pp241-243、2005)。 (5)短鎖アナログC15とSHCとの酵素反応からドリマン型セスキテルペンが合成可能である事を示した(TEAC討論会講演要旨集pp238-240、2005)。 (6)非天然型アミノ酸を導入してカチオン/π相互作用を明確に証明した(天然物討論会、pp1-6、2005)。 (7)スクアレン合成酵素に関しては、保存された芳香族アミノ酸や推定NADPH結合領域の部位特異的変異酵素を作成して機能解析を行った(日本農芸化学会講演要旨集p5,2005)。
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Research Products
(2 results)