2003 Fiscal Year Annual Research Report
種子貯蔵タンパク質の分子レベルにおける構造・加工特性相関に関する研究
Project/Area Number |
15380092
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内海 成 京都大学, 農学研究科, 教授 (40111976)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 基泰 京都大学, 農学研究科, 助手 (60293958)
丸山 伸之 京都大学, 農学研究科, 助手 (90303908)
|
Keywords | 豆科種子 / 種子タンパク質 / 7Sグロブリン / 11Sグロブリン / 加工特性 / 溶解性 / 乳化性 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
我々は、ダイズタンパク質の構造加工特性相関の解析を進めて来たが、その解明のためにも、また、種子タンパク質の構造・加工特性相関を分子レベルで解明するためにも、種々の種子について系統立って解析し、その結果を総合的に評価する必要がある。そこで、ダイズに加えて、エンドウ、ソラマメ、アズキ、インゲン、マングビーン、カボチャの貯蔵タンパク質の構造と加工特性の解析を進めた。 1.エンドウ、ソラマメ、アズキ、インゲン、マングビーン、カボチャの種子貯蔵タンパク質の特性 エンドウ、ソラマメ、カボチャ種子より7Sと11Sを、アズキ、インゲン、マングビーンより7Sを調製、それらの溶解性、熱安定性、表面疎水性、乳化性をダイズの7S、11Sのものと比較した。その結果、同じ7S、11Sであっても、おのおのが特徴的な特性をもつことを見い出した。ダイズのものよりもはるかに優れた特性を示すものもあった。一方、乳化性は、熱安定性や表面疎水性とは相関しなかった。 2.ダイズ11Sの構成サブユニットの結晶化 ダイズ11Sの構成サブユニットのうち、まだ結晶化に成功していないA1bB2とA5A4B3に関して、まず、cDNAをクローニングし、大腸菌発現系を構築して結晶化を試みた。その結果、両サブユニットとも結晶化したが、X線解析に供しうるだけの質はなかった。現在、結晶化条件を工夫している。 3.ダイズ11Sの各構成サブユニットの組換え型の特性 ダイズ11Sの各構成サブユニットを大腸菌で調製し、それらの溶解性、熱安定性、表面疎水性、乳化性を比較した。その結果、各サブユニットはおのおのが、特徴的な特性を持つことを、そして乳化性は、熱安定性や表面疎水性と相関しないことが明らかとなった。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Yukie Maruyama: "Structure of the core region of the soybean β-conglycinin α' subunit"Acta Crystallographica. D60. 289-297 (2004)
-
[Publications] Nobuyuki Maruyama: "Molecular and structural analysis of electrophoretic variants of soybean seed storage proteins"Phytochemistry. 64. 701-708 (2003)
-
[Publications] Motoyasu Adachi: "Crystal structure of soybean 11S globulin : Glycinin A3B4 homnohexamer"Proceeding of the National Academy of Sciences of the United States of America. 100. 7395-7400 (2003)
-
[Publications] Motoyasu Adachi: "Crystal structures and structural stabilities of the disulfide-deficient soybean proglycinin mutants C12G and C88S"Journal of Agricultural and Food Chemistry. 51. 4633-4639 (2003)