2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15380093
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北畠 直文 京都大学, 農学研究科, 教授 (30135610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桝田 哲哉 京都大学, 農学研究科, 助手 (80311744)
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Keywords | 甘味 / リゾチーム / 塩基性タンパク質 / アルギニン残基 / 甘味タンパク質 / 等電点 |
Research Abstract |
リゾチームは等電点11の塩基性タンパク質であり、分子内にリジン残基6残基、アルギニン残基11残基もつ。化学修飾法によりリジン残基の側鎖を修飾し、その等電点(pI)と、甘味閾値との関連を詳細に検討した。また、無味であるα-ラクトアルブミン、オボアルブミンの化学修飾を行いpIの異なるものを作製し、味刺激を誘発できるか検討した。方法としては、再結晶を行ったリゾチームをPLPおよび無水酢酸を用い化学修飾を行った。SP陽イオン交換カラムを用いて修飾度合いの異なるPLP化、アセチル化リゾチームを得た。pIは焦点電気泳動を用い決定した。α-ラクトアルブミン、オボアルブミンの化学修飾はグリシンメチルエステル、タウリンを用いて行い、イオン交換カラムにて精製した。pIは上記と同等の方法により決定した。pIが10.5以上である1残基、2残基修飾PLPリゾチームの甘味閾値は未修飾リゾチームとほぼ同等であったが、pIが8.7である3残基修飾PLPリゾチームの甘味閾値は減少した。アセチル化リゾチームの場合も4残基以上修飾されると甘味を消失し、6残基、5残基、4残基アセチル化されたリゾチームのpIはそれぞれ10、10.8、11.5であった。また甘味を呈したグリシンメチルエステル化したα-ラクトアルブミン、オボアルブミンのpIはともに10.5以上であった。次に、リゾチームの甘味発現に関わる部位を特定するために、リゾチーム分子表面に存在する塩基性アミノ酸であるリジン、アルギニンの変異体を作製し、甘味に与える影智を検討した。Arg45,Arg68をAlaに変異を施しても甘味閾値に影響を与えなかった。一方、Arg14,Arg21,Arg73,Lys13,Lys96,Lys97にAlaの変異を導入することにより、甘味閾値が上昇した。塩基性アミノ酸残基がリゾチームの甘味発現に深い影響を与えることが示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] T.Masuda, S.Tamaki, R.Kaneko, R.Wada, Y.Fujita, A.Mehta, N.Kitabatake: "Cloning, Expression, and Characterization of Recombinant Sweet-Protein Thaumatin II Using the Methlotrophic Yeast Pichia pastoris"Biotechnology and Bioengineering. 85・7. 761-769 (2004)