2003 Fiscal Year Annual Research Report
耳石微量元素組成に基づく養殖魚・種苗放流魚の集団判別-新水産物産地検証法の開発
Project/Area Number |
15380125
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
都木 靖彰 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (10212002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山羽 悦郎 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (60191376)
阿部 周一 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (80125278)
新井 崇臣 東京大学, 海洋研究所, 助手 (70323631)
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Keywords | 耳石 / 微量元素組成 / 系群解析 / 産地検証 / 硬骨魚類 / 二枚貝 / サクラマス / ホタテガイ |
Research Abstract |
1.海洋生物の血液および硬組織中の微量元素濃度を定量するためのマニュアル作りとして、今年度は硬骨魚類血液および二枚貝貝殻中の微量元素定量法を確立した。 2.環境水中の微量元素量と耳石および血液中の微量元素濃度との関係を明らかにするため、サクラマスを海水に適応させ、経時的に血液および耳石を採集した。これまでに血中微量元素濃度の定量を終え、環境水のSr濃度と血中Sr濃度との間には単純な比例関係は成立せず、血中Sr濃度が一定レベル以上にならないように何らかの方法で制御されている可能性を明らかにした。現在Ba等Sr以外の微量元素に関して解析を行なっている。耳石中の微量元素濃度も平成16年度に解析する予定である。 3.ホタテガイの貝殻中の微量元素の定量方を確立し、その微量元素組成が産地により異なることを明らかにした。これにより、貝殻中の微量元素組成を用いて産地検証ができる可能性を示した。 4.サケの産地証明法の検証のため、河川別にサケ親魚の耳石を採集した(北海道1河川、岩手県2河川)。また、成熟卵の卵黄中に蓄えられた微量元素組成の違いを調べるため、未受精卵も採集した。3月中には、サケ稚魚を採集し、稚魚耳石中の微量元素組成が親魚から受け継いだ卵黄に蓄積されていた微量元素組成とどのくらい似通っているか、稚魚の生活域である河川水の微量元素がどのくらい含まれるかなどを検証する。 5.レーザーアブレーションICPMSによる、海洋生物硬組織中の微量元素濃度定量のための基礎技術開発に取り掛かった。現在、適当なスタンダード物質の作成に取り掛かっている。
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