2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15380128
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
足立 伸次 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (40231930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 正兼 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30202378)
山内 晧平 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (10109514)
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Keywords | 卵質 / 染色体 / 減数分裂 / 卵成熟促進因子 / 排卵 / 3倍体 / ホルモン / 魚類 |
Research Abstract |
本年度は、人為的に催熟されたウナギから得られた卵における染色体の形態および卵成熟促進因子(MPF;cdc2とサイクリンBの複合体)の動態が受精率や孵化率と相関があるか否かを検討した。卵の組織観察の結果、卵核胞崩壊以前から第2減数分裂中期あるいは過熟まで様々なステージが観察され、個体間および個体内でばらつきがみられた。第2減数分裂中期の染色体像が多く見られる卵では、受精率および孵化率が高かった。一方、第1減数分裂中期に至っていない、あるいは異常な染色体像が多く見られる卵では、受精率および孵化率が低かった。ウェスタンブロット解析の結果、cdc2抗体により活性型の35kDaのバンドが、サイクリンB抗体により52kDaと50kDaの2本のバンドが検出され、これらバンドは受精率および孵化率が高い卵ほど濃い傾向にあった。従って、卵質がよい卵は卵成熟促進因子の活性が高いことが示唆された。 チョウザメの排卵誘発も、ホルモン投与により人為的に行なわれているが、雌親魚ごとの孵化率が安定しないことが問題とされている。昨年度は、採卵前にバイオプシーにより取り出した卵母細胞の卵成熟能とその後に採卵された卵の孵化率との関係を調べた結果、卵成熟能が高いと評価された個体ほど、ホルモン投与から排卵までに要する時間が短く、孵化率も高い傾向がみられた。本年度は、それら孵化した個体の倍数性を調べた。その結果、孵化率が低いほど得られた個体の中に3倍体が多くみられた。従って、卵質が悪い卵は孵化率が低いだけではなく、たとえ孵化したとしても3倍体の個体が多くなることが示唆された。
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Research Products
(2 results)