2004 Fiscal Year Annual Research Report
魚類の腫瘍壊死因子(TNF)の構造と機能に関する研究
Project/Area Number |
15380136
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中西 照幸 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (00322496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杣 源一郎 徳島文理大学, 健康科学研究所, 教授 (00158990)
吉浦 康寿 養殖研究所, 病害防除部, 研究員 (90372052)
井上 裕基 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (50333571)
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Keywords | ニジマス / ゼブラフィッシュ / TNFα / トランスジェニック / mRNA発現 / 組換えTNF / ドチザメ / TNFレセプターデコイ |
Research Abstract |
1.感染・発病に伴うTNFの発現解析 ニジマスTNF1及びTNF2のプロモーター下流にGFP遺伝子を組み込んだトランスジェニック(TG)ゼブラフィッシュ(F2)及びTGニジマス(F2)を作製した。大腸菌死菌接種後のTGニジマスF1個体の腹腔浸潤細胞中にGFP陽性の好中球様細胞が観察された。また、TGゼブラフィッシュF2個体ではニューロマスト細胞にGFPの強い発現が認められた。さらに、既知のゼブラフィッシュTNF-α遺伝子(Type1)とは全く異なる新しいタイプのTNF-α遺伝子(Type2)を単離・同定した。 2.個体発生に伴うTNF mRNAの発現解析 ニジマスを用い各発育段階毎のTNF mRNAの発現解析を試みたが、魚卵に大量に含まれる卵黄タンパク質がRT-PCR反応を阻害することが判明し、発育段階に合わせたmRNAの調整方法を開発した。 3.ニジマス及びアユTNF組み換えタンパクの作製 ニジマス細胞株(RTG-2)を用いニジマスTNF-αを産生する安定株を樹立したが、培養上清のL929細胞に対する細胞障害活性は認められなかった。アユTNF-αについては、pColdベクターとBL21大腸菌を用い低温にて発現を誘導する系において可溶性蛋白が得られた。L929細胞に対する細胞障害性および大腸菌に対する抗菌活性は認められなかったが、本蛋白がマウスTNFに対するポリクローナル抗体と反応することが明らかとなった 4.軟骨魚類からのTNF様遺伝子の単離及び構造解析 ドチザメよりSSH法によりTNFレセプターデコイ3(DcR3)遺伝子の単離に成功した。DcR3遺伝子は、TNFスーパーファミリーに特徴的なシステイン残基が全て保存されており、ヒトと同様な遺伝子構造を有していた。ドチザメDcR3は、脳及び鰓において発現が認められ、ヒトの胎児期における発現に近い動態を示すことが明らかになった。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Molecular cloning and expression analysis of a macrophage-colony stimulating factor receptor-like gene from rainbow trout, Oncorhynchus mykiss2005
Author(s)
Honda T, Nishisawa T, Uenobe M, Kochi C, Kuroda A, Ototake M, Nakanishi T, Yokomizo Y, Takahashi Y, Inagawa H, Soma G-I.
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Journal Title
Molecular Immunology 42
Pages: 1-8
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