2003 Fiscal Year Annual Research Report
重要海産動物稚仔の消化管内容物ゲノムタイピングによる餌生物の解明
Project/Area Number |
15380137
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
一井 太郎 独立行政法人 水産総合研究センター, 遠洋水産研究所・外洋資源部, 室長 (50360871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 光夫 独立行政法人 水産総合研究センター, 遠洋水産研究所・外洋資源部, 主任研究員 (70371937)
吉村 拓 独立行政法人 水産総合研究センター, 西海区水産研究所・海区水産業研究部, 室長 (90371997)
望岡 典隆 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (40212261)
本多 仁 独立行政法人 水産総合研究センター, 本部, 研究開発官 (90165613)
山田 陽巳 独立行政法人 水産総合研究センター, 遠洋水産研究所・近海かつお・まぐろ資源部, 室長 (10371915)
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Keywords | いせえび / うなぎ / いか / まぐろ / 稚仔 / 胃内容物 / ゲノムタイピング |
Research Abstract |
アルテミア幼生もしくはイガイ卵巣のみを餌として与えたイセエビ飼育幼生の消化管内容物からDNAを抽出し18SrDNAを標的としたPCR増幅、クローニング及び制限酵素処理によるスクリーニングを経て塩基配列分析を行ったところ、それぞれのDNAを検出することができた。このことにより、稚仔の胃内容から餌生物由来DNAを検出できることが示された。本手法をイセエビ類とウナギ類天然幼生標本に応用したところ、大西洋産イセエビ(Panulirus echinatus)幼生の胃内容からサルパ(Thalia democratica)、太平洋産のイセエビ属(Panulirus)の2個体からサバ科魚類、卵菌類(ツボカビ)及びウロコイタチムシ(Lepidoderma sp.)、太平洋産のセミエビ類幼生2個体からクラゲ類、サルパ、オタマボヤの18SrDNAを検出することができた。大西洋産ウナギ類仔魚からはデータベースに登録されていない魚類のDNAが検出された。胃内容物の検討にはそのホスト生物の種判別も重要であることからDNAを用いた重要水産動物稚仔の種同定についても検討した。西部太平洋海域におけるマグロ類及びその近縁種、さらにアカイカ類の種判別手法を開発した。九州南東沿岸域における調査船の大型フレームネットで採集したマアジ稚魚(体長10〜51m)の消化管内容物の種類別サイズ組成と同じ海域におけるネットサンプリングで採集した動物プランクトンの種類別サイズ組成を比較した結果、マアジ稚魚が体長により異なるサイズの動物プランクトンへの選好性を示し、稚魚の成長による捕食行動の発達とともにより大きなサイズフラクションの動物プランクトンを捕食することが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Chow, S.et al.: "Genetic and morphological identification of larval and small juvenile tunas (Pisces : Scombridae) caught by a mid-water trawl in the western Pacific."Bulletin of Fisheries Research Agency. 8. 1-14 (2003)
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[Publications] Hirota, Y., Uehara, S., Honda, H.: "Ontogenetic changes of feeding selectivity in juvenile jack mackerel Trachurus japonicus collected off south-east Kyushu, Japan."Fisheries Science. 70(1). 100-107 (2004)