2005 Fiscal Year Annual Research Report
魚肉軟化現象の解明-トランスジェニックマダイを用いた解析
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15380142
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
豊原 治彦 京都大学, 農学研究科, 助教授 (90183079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 政人 京都大学, 農学研究科, 助手 (60263125)
家戸 敬太郎 近畿大学, 水産研究所, 講師 (90330240)
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Keywords | マダイ / 発現ベクター / トランスジェニックフィッシュ / アクチン / MMP / TIMP |
Research Abstract |
マダイから3種類のαアクチン遺伝子をクローニングすることに成功した.コード領域の相同性検索の結果,このうち2種類は骨格筋アクチン(骨格筋1型と2型)を,1種類は心筋アクチン遺伝子(心筋型)であることが推測された.いずれの遺伝子も8個のエクソンから構成されており,上流域にE BoxとCArG Boxを有していたが,これらのモチーフの分布パターンに大きな違いが認められた. これら3種類のαアクチン遺伝子の発現調節領域を利用したマダイ専用の発現ベクターを構築した.これらのベクターは,エクソンIIからVIIの領域をGFPと入れ換えたものであり,これらの調節領域のGFP発現誘導活性を比較することで調節領域の発現誘導活性を比較することが可能である.マダイ受精卵への導入2日後の生残率は,骨格筋1型が35.7%,骨格筋2型が16.6%,心筋型が30.8%であった.孵化後1日と10日後の仔魚ならびに4ヵ月後の稚魚及び成魚の骨格筋と心筋における発現を調べた結果,いずれの遺伝子も仔魚期から発現していることが明らかとなった.しかし,骨格筋1型が稚魚と成魚のいずれにおいても骨格筋と心筋の両方において強く発現されていたのに対し,骨格筋2型は稚魚と成魚では骨格筋においてのみ発現が確認された.興味深いことに心筋型は稚魚期には心筋でのみ発現が認められたが,成魚では心筋と骨格筋のいずれにおいても発現が確認された. 上記の発現ベクターを導入したF0を用いてGFPの発現を視覚的に検討した結果,いずれのベクターも筋肉細胞特異的な発現誘導活性を有することが示されたが,心筋型遺伝子を用いたベクターではGFPが特に限定的な部位で発現していることが認められた. 最も強い誘導活性を示した骨格筋2型プロモーターに,同遺伝子のポリA付加シグナルを利用したマダイ専用ベクターを構築した.現在,マダイTIMPをこのベクターに組み込んだ発現ベクターを導入したトランスジェニックマダイを育成中である.
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Research Products
(2 results)