2004 Fiscal Year Annual Research Report
中国の畜産物の国際競争力とWTO加盟後畜産部門の再編方向に関する国際共同研究
Project/Area Number |
15380153
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
胡 柏 愛媛大学, 農学部, 教授 (80248624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 隆雄 愛媛大学, 農学部, 教授 (90150812)
中安 章 愛媛大学, 農学部, 教授 (20145064)
大隈 満 愛媛大学, 農学部, 教授 (20335889)
辻 雅男 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (90284554)
中嶋 康博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50202213)
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Keywords | 畜産物 / 畜産 / 中国 / 国際競争力 / 食肉 / 飼料 / 穀物 / 食料 |
Research Abstract |
1.研究の実施状況:本年度は最終成果提出の年であり、関係文献・資料の継続収集と整理、現地調査、ワークショップ開催、成果の取りまとめ作業を行った。現地調査は、8月15日〜28日の2週間で実施した。(1)畜産物の需給と貿易動向、(2)WTO加盟の影響、(3)畜産業界と行政の対応、(4)畜産企業の経営再編実態および家族的畜産経営の位置付け、(5)飼料の需給動向等を中心に中国農業科学院、農業部、商業部、中国畜産輸出入商会、中国農業経済学会、大連市・重慶市の畜産行政を訪問し聞取調査と意見交換を行ったほか、大連礎明集団有限公司、大連龍城集団、大連韓偉企業集団の3畜産グループ企業、および大連、北京市の農畜産物マーケットで実態調査を実施した。 2.成果:研究成果の一部は、研究会、公開講演、学術誌投稿等の形で活用されている。成果報告書の取りまとめから得た主な知見は以下の通りである。(1)中国の食肉産業は加工、調製品を中心に高い価格競争力を持っている。生体コストが国際平均水準を上回る冷蔵・冷凍鶏肉も加工・輸送費等の安さから周辺国・地域への輸出が可能である。(2)90年代中期以降における純輸出の減少は、主として安全衛生リスクの発生によるものである。WTO加盟後の3年間で牛肉、羊肉、内臓肉の輸入増大、豚肉の輸出回復、食肉加工・調製品の継続的な輸出拡大が確認され、WTO加盟の影響については継続研究が必要である。(3)国際競争力の向上に向けて畜産企業は、行政指導の下で多角複合経営と垂直統合、国内契約販売、海外販売網整備、安全衛生管理の強化に取り組んでいる。自給的家族経営の縮小と大規模経営の展開、各種の品質・安全認証取得による企業信頼力向上の取組が進められていることも確認された。(4)畜産業の急拡大が大豆輸入を増大させているが、穀物需給全体への影響については継続研究が必要である。
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Research Products
(4 results)