2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15380165
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
赤江 剛夫 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (10123423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天谷 孝夫 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (80033265)
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Keywords | 除塩 / 土壌改良資材 / リーチング / スレーキング / 塩分溶出 |
Research Abstract |
1.土壌を清水でリーチングすると、塩分濃度の低下に従って土粒子が分散し土壌間隙が閉塞して、透水性が低下し、除塩が困難となる。除塩効率の低下を抑制するため土壌構造を安定化する資材を混合する方法を検討した。試料土壌には諫早湾干拓地土および中国内蒙古河套灌区土を使用し、混合資材には土壌改良資材としてしばしば用いられる木炭、珪藻土焼成粒、バーク堆肥、フライアッシュの4種を、通常施用量である土に対する体積比10%で混合し、その効果を確認するリーチングカラム試験を行った。その結果、中国土壌に関してはリーチング開始後の透水係数の低下が資材の混合によって大幅に抑制された。対照と比較して、木炭、バーク堆肥、フライアッシュでは対照の約5倍〜10倍の透水係数を示した。すべての資材混合で対照よりも多くの塩分が除去された。特に、Naの除去量が他の陽イオンと比べて卓越した。Na除去量は対照で0.9meqに対し、木炭とバーク堆肥が1.2meqともっとも多く、次いでフライアッシュであった。珪藻土はほとんど対照と同じで効果が認められなかった。諫早湾干拓地土壌について資材混合は透水係数をわずかに増加させ、リーチング時間を3〜4%減少させた。除去される陽イオンではNaイオンが卓越し、累積除去量は対照と比較して木炭で約16%、バーク堆肥で約12%向上した。中国土で資材混合の除塩効果が大きく、諫早湾干拓土で劣ったのは、諫早湾干拓土で分散・膨潤による間隙閉塞が発生するのに対し、中国土では土壌構造が安定しているためであると考えられた。 2.スレーキングが土塊からの塩分溶出に与える効果を、諫早湾干拓地土と中国土壌に対し検討した。乾燥程度を炉乾燥から自然岩水比まで10段階に変えた試料土塊を作成し、塩分溶出試験とスレーキング試験を実施した。諫早湾干拓地土では含水比40%の乾燥試料で塩分溶出量が最大となり、同じ含水比でスレーキング崩落率も最大となった。このことから、土塊からの除塩には乾燥による土塊表面への塩分輸送とスレーキングによる土塊崩壊の両機構が関係することが明らかになった。一方、中国土壌では、すべての乾燥段階においてスレーキングが発生し、塩分溶出率についても乾燥程度の差による違いが認められなかった。以上のことから、乾燥およびそれに伴うスレーキングが諫早湾干拓地土のような膨潤性粘性土に特に有効であることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)