2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15380176
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
村上 克介 三重大学, 生物資源学部, 教授 (00254441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村瀬 治比古 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (20137243)
中野 長久 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (20081581)
森尾 吉成 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (90273490)
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Keywords | 均斉度 / 光合成有効光量子束密度 / 液厚 / 培養密度 / 消散係数 / 透過光減衰 / 二酸化炭素濃度 / 量子収率 |
Research Abstract |
本年度は、研究の最終年度であり、人工光で大量培養する装置の実用化とユーグレナ培養における光環境とその栄養価、光質の影響、二酸化炭素濃度の影響について検討した。さらに、研究を社会に還元すべく論文および報告書の作成を推進した。 1.人工光藻類大量培養装置に関する研究 著者らにより作成した初期型培養実験装置(200L)について、設計条件、計測関係資料を整理し、リストに示す論文にまとめた。設計条件は培養槽の大型化、培養槽外郭の良好な照明の均斉度、光合成有効光量子束密度300μmolm^<-2>s^<-1>以上、培養槽内の光環境の強度制御、温度調整、通気、洗浄殺菌機構であり、すべてを満たすことを示した。また、照明工学的手法を活用して培養槽周辺の照度予測を行い、シミュレーションによる計算と実測値を比較して、今後の培養槽設計の指標を整備した。さらに、通気による光環境の変化も実測し、6%程度の照度変化が発生することを見いだした。 次に、大量培養槽においては、光環境の設定、制御を行う上で、微細藻類の培養密度ならびに培養液中で入射光が進んだ距離(液厚)の変化に伴う透過光の減衰の解明が重要となる。そこで、4種の海産性微細藻類Cheatoceros gracilis, Cheatoceros calcitrans, Pavlova lutheri, Nannochloropsis oculataを供試し、密度増加と液厚増加にともなう透過光の減衰に関する測定実験と解析を行った。その結果、実用的な培養密度である1000万細胞/mlまでの場合、細胞密度をパラメータとする液厚消散係数、液厚をパラメータとする細胞密度消散係数がすべての藻類について求められ、実用的な細胞培養における光減衰の予測が可能なことを示した。この結果も、リストに示す論文にまとめた。 2.ユーグレナ培養に関する検討 本研究では、餌料藻類の大量培養にあわせてユーグレナ培養に関する検討も実施している。ユーグレナは、高濃度の二酸化炭素を資源として利用できるため、その基礎的データとして量子収率を求めた。二酸化炭素濃度0.04%では、光合成有効光量子束密度を上げることにより成育は良好となるが、量子収率の点からは光合成有効光量子束密度30μmolm^<-2>s^<-1>の場合が良好であった。二酸化炭素濃度を10%とした場合、成育は良好になり、量子収率が2倍になったが、やはり、光合成有効光量子束密度30μmolm^<-2>s^<-1>の場合が量子収率が高かった。
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Research Products
(3 results)