2004 Fiscal Year Annual Research Report
新機能包材のための微細孔ガス透化モデル構築と食品包材の熱特性の解明
Project/Area Number |
15380177
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Research Institution | National Food Research Institute |
Principal Investigator |
中村 宣貴 独立行政法人食品総合研究所, 食品工学部, 研究員 (50353975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎名 武夫 独立行政法人食品総合研究所, 食品工学部, 室長 (40353974)
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Keywords | 微細孔 / ヒートシール / 鮮度保持 / MAP |
Research Abstract |
ミクロン単位の大きさの孔を開けた微細孔フィルムによる包装は、青果物の呼吸量に合わせて孔の大きさと数を調整できるために、ニラをはじめとする多くの青果物で鮮度保持効果が認められている。しかし微細孔フィルムの利用においては、あらかじめフィルムに加工が必要であり、価格が高くなること、水滴の付着によりガス透過度が低下することなどが指摘されてきた。 昨年までは、厚さ25μm、大きさ85mm×600mmのOPP袋で、シール幅を4mmとして、0.4mmのシール部と0.6mmの非シール部を繰り返し、袋あたりの空隙数を600ヶ所とするパーシャルシール包装にニラの鮮度保持効果があることがわかった。 これを他の青果物にそのまま利用しようとしても、青果物の呼吸特性が異なるため十分な鮮度保持効果を得ることができない。そこで本年度は包装材料の種類、歯形の形状を変えることにより空隙部のサイズ及びシール部の強度を自在に変更することができることを確認した。例えば、ポリスチレンフィルムを使った場合は空隙部が大きく、シール強度も強くなることがわかった。また、シール形状を縦目から斜め目に変えることにより空隙部の面積を増やし、強度もあるシールを作ることができた。これにより小ネギなどニラより呼吸量の多い青果物へもパーシャルシール包装が適応可能であることを確認できた。さらに、OPPフィルムであってもメーカーやタイプの違いにより熱特性(最適ヒートシール温度帯やシール強度)が大きく異なり、それによりシール機の設定温度やシール速度などを調整する必要があることがわかった。
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