2005 Fiscal Year Annual Research Report
健康上有利な多価不飽和脂肪酸を生合成するウシの効率的生産方法の開発
Project/Area Number |
15380196
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
佐伯 和弘 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (10298937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細井 美彦 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (70192739)
松本 和也 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (20298938)
三谷 匡 近畿大学, 先端技術総合研究所, 助教授 (10322265)
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Keywords | ω3脂肪酸不飽和化酵素遺伝子 / α-リノレン酸 / ルシフェラーゼ発現ベクター / マウス3T3-L1細胞 / コドン使用頻度 / ウシ繊維芽細胞 / 再構築胚 / DNAのメチル化 |
Research Abstract |
哺乳動物が有さない脂肪酸不飽和化酵素遺伝子を新たに導入・発現させることで、動物、特にウシの脂肪に多価不飽和脂肪酸を豊富に含有させることを目的に、本年度は以下の研究を行った。 1.ω3脂肪酸不飽和化酵素遺伝子(FAD3)の哺乳動物細胞における発現解析:ニワトリβ-actinプロモーターおよび発現の可視可を目的にEGFP遺伝子を連結したアマ幼弱種子由来FAD3 cDNA発現ベクター(pβ-act/FAD3/IRES/EGFP(neor))をマウス3T3-L1細胞に安定導入し、遺伝子導入細胞におけるαリノレン酸(18:3n-3)含量をガスクロマトグラフィーで調べた。その結果、両細胞とも野生型細胞に比べ、18:3n-3比率が上昇したが、その割合は0.4%(野生型:0.2%)と低かった。FAD3の発現を調べたところ、β-actプロモーターでは脂肪細胞への分化と共に発現量が低下していた。このことから、FAD3の強発現を目的にFAD3塩基配列のコドン使用頻度のほ乳類型への変更を完了し、β-actプロモーターをCAGプロモーターに変更したベクター(pCAG/FAD3opt/IRES/EGFP(neor))を作製した。このベクターをマウス3T3-L1細胞に導入したところ、分化誘導の有無にかかわらず強発現を示した。また、すでに当ベクターを安定的に導入したウシ初代培養繊維芽細胞を得ており、現在、脂肪酸組成を検討している。 2.ルシフェラーゼ発現ベクターを導入したウシ繊維芽細胞による再構築胚内での遺伝子発現:昨年度、ルシフェラーゼ発現ベクターを安定導入したウシ繊維芽細胞を用いた再構築胚では、すべての割球で発現した胚が高率に発生し、モザイク状に発現した胚はほとんど発生しないことを示した。本年度、これら胚の遺伝子発現をreal time-PCR法で検討したところ、遺伝子発現が見られない胚は、すべての割球で発現した胚に比べ、アポトーシス細胞で発現しているBAX遺伝子の発現量が高いことが示された。また胚のDNAのメチル化の状態を5MEC抗体で調べたところ、遺伝子発現が見られない胚は、すべての割球で発現した胚に比べ、メチル化レベルが高いことも明かとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] 牛体細胞核移植胚の培養液の検討.2005
Author(s)
佐伯和弘, 藤原 裕輔, 谷口俊仁, 細井美彦, 松本和也, 三谷 匡, 加藤博己, 笠松 礼, 印藤頼子, 川澄みゆり, 入谷 明
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Journal Title
近畿大学先端技術総合研究所紀要 10
Pages: 63-68
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