2005 Fiscal Year Annual Research Report
胃腸管内在ニューロンのシグナル伝達における容量性Ca流入機構の分子機能解析
Project/Area Number |
15380200
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
太田 利男 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (20176895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲波 修 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (10193559)
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Keywords | 細胞内カルシウム / ブラジキンン / プロスタグランジン / グリア細胞 / シクロオキシゲナーゼ / Caイメージング / 細胞内Caストア |
Research Abstract |
胃腸管内在神経に存在する炎症性メディエーターのブラジキンによる細胞内Ca増加反応に関与するCaソースについて蛍光画像解析装置を用いた蛍光イメージング法により詳細に検討し、以下の成績を得た。1)ブラジキニンは初代培養ラット内在神経細胞において細胞内Ca増加を引き起こし、そのパターンは(a)一過性反応、(b)一過性反応後持続するもの、(c)持続反応がアゴニスト除去後も長く続く3つのパターン分類された。各種の条件で反応を調べた結果、パターン(c)が半数をしめた。2)細胞内Ca増加反応は外液Ca除去により一過性となり、細胞内Caストアが寄与することが明らかになった。3)細胞内ストアのCaポンプを特異的遮断薬で抑制すると、ブラジキンにより持続的反応が顕著に見られ、この反応は電位依存性Caチャンネル遮断薬で抑制されず、Laで抑制された。それ故、ブラジキンンは容量性Ca流入機構を活性化させることが示された。4)ブラジキンによる細胞内Ca増加反応はグリア細胞が共存している条件では大きな反応を示した。また、この条件下ではシクロオキシゲナーゼ阻害薬により反応は有意に減弱した。5)ブラジキンンは内在神経・グリア共培養系からプロスタグランジンE2の放出を引き起こし、これはシクロオキシゲナーゼ阻害薬により抑制された。これらの成績は内在神経においてブラジキンは容量性Ca流入機構を引き起こす内因性分子として機能することが明らかとなり、またその細胞内Ca増加反応には内在神経とグリア細胞の相互作用が重要であることが示された。消化管内在神経叢において、炎症性メディエータであるブラジキン機能発現には神経-グリアネットワークの重要性が示唆された。
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Research Products
(4 results)