2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15380201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森松 正美 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70241370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 欣郎 岩手大学, 農学部, 助教授 (10252123)
吉松 組子 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (90220722)
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Keywords | 自然免疫 / NF-kappaB / IkappaB / LPS |
Research Abstract |
自然免疫(innate immunity)は、各種病原体に共通して存在する構造物(リポ多糖体(LPS)など)を認識する生体防御反応であり、これらの構造物がToll様受容体(TLR)を介してNF-κBを活性化する細胞内情報伝達系により支えられている。最近、研究代表者らはLPS刺激によって発現誘導される新規分子MAILを発見した。この分子を中心に研究を実施した。 1.MAIL破壊マウスの解析 MAIL遺伝子ホモ型変異マウスはほとんど産まれず、MAIL破壊マウスは胎生期に死亡することが判明した。これは、マウスの系統をB57BL/6にしてもBALB/cにしても観察され、系統に依存しなかった。マウス胎子を調べたところ、肝臓の形成不全が認められた。この胎子肝臓ではアポトーシスによる細胞死が頻繁におこっていることが判明した。抗MAIL抗体による免疫組織化学的検索により野生型胎子を調べたところ、MAILの発現は肝臓には認められず血管内皮細胞に認められた。すなわち、通常のマウスでは胎子期に血管内皮細胞でMAILが産生され、この内皮細胞に由来する何らかの因子が肝臓に作用して細胞増殖を支えており、MAILが欠損するとアポトーシスによって肝臓の形成不全が生じ、これが胎生期致死の主な要因となると考えられた。 2.MAIL遺伝子発現調節の解析 MAIL遺伝子の発現調節配列(プロモータ)をマウスマクロファージ系細胞株にて解析した。MAIL遺伝子の発現には転写開始点近傍に存在するkBモチーフ配列が重要であり、そこにLPS誘導性のタンパク質NF-kBのp65/p50ヘテロダイマーが結合することで転写が活性化されることがゲルシフト法によりわかった。また、NF-kB阻害剤はMAILの発現を抑制した。すなわち、MAIL遺伝子はNF-kBによって発現誘導され、NF-kBを制御することがわかった。
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Research Products
(3 results)