2003 Fiscal Year Annual Research Report
組換え微生物を用いた環境修復のための宿主―ベクターシステムの開発
Project/Area Number |
15380221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
村上 周一郎 神戸大学, 農学部, 助教授 (00243329)
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Keywords | コールドショックタンパク質 / Rhodococcus / catechol 1,2-dioxygenase / muconate cycloisomerase / muconolactone isomerase / 構成的遺伝子発現 |
Research Abstract |
(1)構成的に発現するプロモーターについて Rhodococcus sp.AN-22のアニリン代謝に関与する酵素において構成的に発現するカテコール1,2-ジオキシゲナーゼ、ムコン酸シクロイソメラーゼ、およびムコノラクトンイソメラーゼ遺伝子をクローニングし、それぞれcatA2、catB、およびcatCとした。catA2遺伝子の推定されるアミノ酸配列は、既にクローニングされているcatA1遺伝子の配列と98%の類似性を示した。またcatA2遺伝子の転写開始点を解析したところ、アニリン誘導条件、および非誘導条件下で培養した場合でも、本遺伝子は翻訳開始点より821bp上流から転写されており、構成的に発現していることが明らかになった。 (2)コールドショック応答機構について 本菌のコールドショックタンパク質をコードする遺伝子の中で、CspAをコードする遺伝子をクローニングし、その塩基配列を決定した。推定されるアミノ酸配列は、本菌から既にクローニングされているcspB1遺伝子から推定される配列と71%の類似性を示した。両遺伝子のプロモーター領域の配列を比較したところ、大腸菌で報告されているcold box等のモチーフ配列を見出しことはできなかった。 また予備実験として、cspB1遺伝子のプロモーター領域の下流に転写因子GATA-1(致死性ペプチド)をコードする遺伝子を連結し、低温条件での致死性の発現を調べた。その結果、親株は15℃の条件で生育したのに対し、転写因子GATA-1を導入した株は生育を示さなかった。しかしその後、生育温度を30℃にシフトさせた場合、菌が生育したことから、発現した転写因子GATA-1は、本菌を死滅させたのではなく、生育を抑制したのみであることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 村上 周一郎: "アニリン資化性菌Rhodococcus sp.AN-22のコールドショックタンパク質をコードする遺伝子のクローニング"日本農芸化学会大会講演要旨集(2004・広島). (未定). (2004)
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[Publications] 松村 栄太郎: "アニリン資化性菌Rhodococcus sp.AN-22の構成的に発現するカテコール代謝系の解析:構成的に生合成されるムコノラクトンイソメラーゼの精製および特性解析"日本農芸化学会大会講演要旨集(2004・広島). (未定). (2004)