2004 Fiscal Year Annual Research Report
性ステロイドによる環境汚染と動物・植物への影響評価
Project/Area Number |
15380222
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山下 一郎 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 教授 (20144884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 伸和 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 助教授 (50263744)
高瀬 稔 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80226779)
島田 昌之 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 助手 (20314742)
磯部 直樹 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助手 (80284230)
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Keywords | エストロゲン / レチノイン酸 / 血管形成 / 性分化 / 糞 / プロジェステロン / 卵巣 / 細胞外マトリックス |
Research Abstract |
1.エストロゲンによる血管形成阻害機構並びにレチノイン酸による血管形成機構を解明した。エストロゲンはエストロゲン受容体に結合して、ダイオキシン受容体遺伝子等の転写を過剰に活性化することを明らかにした。また、レチノイン酸はレチノイン酸受容体に結合し、ダイオキシン受容体遺伝子の転写に必須であることを明らかにした。 2.VP16転写活性化部位と融合したメダカエストロゲン受容体遺伝子とエストロゲン応答配列の下流にヒスチジン生合成遺伝子を結合したコンストラクトを持っ酵母を作製した。本酵母はエストロゲン投与時のみに増殖することを確認し、エストロゲン応答テストを行った。この結果をもとに、エストロゲン応答配列の下流にレポーター遺伝子(rolB等)を連結した同様のコンストラクトを導入したタバコ培養細胞を作製し、エストロゲン応答テストを行った。 3.環境性ステロイドの両生類生殖腺分化に対する影響を解析した。まず、精巣から卵巣への分化転換を誘導するエストロゲンの投与条件について、ツチガエル幼生を用いて明らかにした。次に、畜産圃場近くの池で幼生を飼育したところ、低率ではあるが精巣内に卵が形成されることを明らかにした。 4.卵巣におけるプロジェステロンの生産メカニズムとその作用機構に関する研究を行い、排卵課程においてプロジェステロンはコレステロール合成系を介して生産されることをΔ14-reductase、Δ7-reductaseの発現、機能解析から明らかとした。また、その生産されたプロジェステロンは、プロジェステロン受容体Aを介して、細胞の増殖停止、ADAMTS-1の発現誘導を行い、細胞外マトリックスを変化させ卵丘細胞の膨化、排卵を誘起することも示した。 5.糞からエストロンサルフェートおよびプロジェステロンを効率的に抽出する方法を開発し,その後ELISAによってそれらの濃度を測定して,動物の繁殖機能を把握することを可能とした。また,糞が排出されてから時間が経過するにしたがって,ステロイドは代謝されその濃度は変化することを明らかにした。
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Research Products
(11 results)