2004 Fiscal Year Annual Research Report
BT菌殺虫タンパク質の進化分子工学による「タンパク質殺虫剤」への展開
Project/Area Number |
15380228
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Research Institution | National University Corporation Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 令一 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (30235428)
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Keywords | Bacillus thuringiensis / insecticidal protein / phage display |
Research Abstract |
<殺虫タンパク質上の受容体結合部位の特定> (1)システイン置換とNAM導入による受容体結合部位の詳細な解析 Cry1Aa殺虫タンパク質上の受容体結合部部位を決定し、殺虫タンパク質の活性改善のための変異導入部位を決定する目的で、受容体結合ドメインであるドメイン2にある20のアミノ酸残基に関してシステイン置換し、さらにはそのシステインを介してNAMを結合させて、受容体への結合に影響が出るかを検討した。その結果、G442C、Y445C置換により受容体への結合能力が低下したが、さらにNAMを結合させてもそれ以上の結合能力の減少は見られなかった。よって、Cry1Aa殺虫タンパク質上の受容体結合部位はG442やY445の付近にあるが、この残基が直接的に受容体に関わるとは考えられなかった。 <ファージディスプレイ系による活性向上殺虫タンパク質の作製と選抜> (1)殺虫タンパク質ライブラリーの作製と受容体結合性向上殺虫タンパク質の選抜 文献で受容体結合位置候補と報告されている、殺虫タンパク質上の連続した6アミノ酸からなる領域4箇所がランダムな配列になるように変異を導入し、次にこれをファージ上に発現させて変異殺虫タンパク質ライブラリーを構築した。受容体をコーティングしたアッセイプレイトにこのファージ溶液を反応させ、受容体に結合性の高い殺虫タンパク質変異体を発現したファージをスクリーニングした。その結果、殺虫活性は変異導入前の殺虫タンパク質に多少劣るが、アミノ酸配列が異なるクローンが幾つか得られた。したがって、このようなライブラリー構築と選抜を繰り返すことにより、出発材料の殺虫タンパク質よりも受容体に対して結合能力が高く、殺虫活性が高い変異体が得られるものと考えられた。
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Research Products
(1 results)