2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
富岡 清 京都大学, 薬学研究科, 教授 (50114575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 彰 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (40202816)
山田 健一 京都大学, 薬学研究科, 助手 (00335184)
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Keywords | リチウムエノラート / キラルジエーテル配位子 / タキソール / 不斉付加 / アリールリチウム / タンデム型反応 / (-)-lycorine / キラルアミドホスフィン |
Research Abstract |
本研究では、リチウムエノラートや有機リチウム、有機マグネシウム等の古典的反応剤の不斉反応への組み込み手法の確立を目的として、より一層の活性化を中心概念とする多成分複合反応剤を創製し、幅広い一般性、高選択性、安全性、短時間反応を骨子とする21世紀型不斉反応の開拓に挑戦する。本研究により本年度は以下の成果を上げることが出来た。 1)一当量のリチウムアミド存在下、キラル補助基を有する酢酸エステルのリチウムエノラートのN-PMPイミンへの付加反応によって生じるジアニオンの酸化反応によるα-ヒドロキシ-β-アミノエステル合成を検討した。その結果、抗腫瘍天然物タキソールの側鎖に変換可能なα-ヒドロキシ-β-アミノエステルを高収率、高選択的に得ることに成功した。 2)キラル配位子制御によるアリールリチウムの共役付加を契機とする、タンデム型不斉共役付加-分子内マイケル型不斉閉環反応を検討した。その結果、三つの不斉点を一挙に制御した環化体が高収率、高エナンチオ選択的に得られた。この環化体はCurtius転位反応と続く環化反応によって、生理活性アルカロイド(-)-lycorineの合成中間体五環性アミドへと良好な収率で変換することができた。 3)キラルアミドモノホスフィン配位子-ロジウム触媒を用いるアリールホウ素反応剤の付加反応を用いるラセミ5-置換シクロヘキセノンの速度論的分割を検討した。反応は高い反応剤支配で進行し、3,5-トランスおよびシス置換シクロヘキサノンがいずれも高いエナンチオ選択性で得られた。そこで、5-トリメチルシリルシクロヘキセノンに対するアリールホウ素反応剤の付加反応を行い、引き続き得られた3,5-トランスおよびシス置換シクロヘキサノンを塩化銅で処理し、対応する5-アリールシクロヘキセノンを高収率、高エナンチオ選択的に合成することに成功した。
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