2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390011
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
島田 和武 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (90004605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三田村 邦子 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (70242526)
東 達也 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (90272963)
本間 誠次郎 帝国臓器製薬メディカル, 受託研究部, 部長
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Keywords | 前立腺癌 / バイオマーカー / テストステロン / ジヒドロテストステロン / 電子捕獲型 / エレクトロスプレーイオン化 / LC / MS / MSプローブ |
Research Abstract |
現在,前立腺癌予後診断には血中前立腺特異的抗原(PSA)のスクリーニングが汎用されているが,PSAは組織特異的抗原であり,良性の前立腺肥大症などとの区別はなされない.さらに病理組織検査でもこれらの識別は困難である. 最近アンドロステンジオール(A-diol)のエストロゲン及びアンドロゲン活性が報告されると共に,前立腺癌増殖あるいは再燃への関与が強く示唆されている.しかし,前立腺組織や血中におけるそれの十分な定量法はなく,特にA-diolは血中では硫酸抱合体として存在していると思われるが,前立腺組織内での存在形態すら明らかにされていない.一方,血中又は前立腺中テストステロン(T)とその活性型である5α-ジヒドロテストステロン(DHT)の比率が前立腺肥大症と前立腺癌患者で大きく異なることが示唆され,バイオマーカーとして有望視されている. 以上の背景を基に本研究は,各種抱合体を含むA-diol及びT/DHTの超高感度分析法を開発し,臨床知見との相関を求めることで,前立腺癌予後診断用バイオマーカーを確立,臨床診断へ応用,キット化,更には新規治療薬の開発を行わんとして計画されたものである. 本年度は特に後者,すなわちT/DHTのLC/MSによる超高感度分析法の開発に取り組み,それに必要な誘導体化試薬の開発に成功した.本試薬はLC/電子捕獲型エレクトロスプレーイオン化-MSのイオン化効率を上げるための4級塩基と分析対象に素早くかつ定量的に反応するヒドラジノ基を併せ有し,しかも化学的に安定なMSプローブである.これによる誘導体化で,誘導体化前に比してTは70倍,DHTは130倍の高感度化がもたらされた.さらに本試薬を針生検で得られる程度(10mg)の前立腺中T及びDHTの定量へ適用したところ,少なくとも後者のそれは測定可能であり実用化への第1歩が拓かれた.
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Research Products
(4 results)