2003 Fiscal Year Annual Research Report
マスト細胞のマトリックス接着におけるプロスタグランジンE2の役割に関する研究
Project/Area Number |
15390024
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
市川 厚 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (10025695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 智之 京都大学, 薬学研究科, 助手 (40303846)
杉本 幸彦 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (80243038)
扇間 昌規 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (90098533)
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Keywords | マスト細胞 / 細胞接着 / PGE2 / EP4サブタイプ / フィブロネクチン / Ca^<2+> / cAMP / アレルギー |
Research Abstract |
本研究の目的は、炎症・アレルギーの発症に深く関わるマスト細胞について、どのようなメカニズムで結合組織や粘膜組織中において成熟・分化するかについて解明するために、マスト細胞の前駆細胞モデル細胞としてマウスP-815細胞を用いて、in vitro細胞培養系で同細胞のマトリックスへ定着・遊離メカニズムを検討することにある。本年度は(1)マスト細胞のマトリックスヘのPGE2依存的な細胞接着、と(2)マスト細胞のマトリックス接着による細胞の機能発現に関する研究を行い、以下の研究成果を得た。(1)については、マウスP-815マスト細胞は、フィブロネクチンをコートしたプレートにて培養すると、添加PGE2依存的に細胞接着が誘導されること、この誘導はPGE2受容体のEP4サブタイプによる細胞内cAMPシグナルを介して起こることを明らかにした。このPGE2誘導による細胞接着反応は細胞内Ca^<2+>濃度の持続的な上昇に依存し、細胞内Ca^<2+>の上昇メカニズムはSOC依存的な細胞外Ca^<2+>の流入反応によることがわかった。さらに、細胞内Ca^<2+>の下流はCaMキナーゼによるタンパク質のリン酸化で、Row-MLCK-アクチン系の活性化は関与していないことがわかった。(2)については、マトリックスのフィブロネクチンに接着したマウスP-815マスト細胞は細胞増殖を停止し、マトリックスから遊離すると再び増殖を開始することがわかった。接着している間にどのような機能(サイトカイン生成など)が活性化されているかを検討中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Sugimoto, Y., et al.: "A cluster of aromatic amino acids in the i2 loop plays a key role for Gs coupling in prostaglandin EP2 and EP3 receptors."J.Biol.Chem. 279. 11016-11026 (2004)
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[Publications] Sugimoto, Y., et al.: "Functional domains essential for Gs activity in prostaglandin EP2 and EP3 receptors."Life Sci.. 74. 135-141 (2003)
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[Publications] Tsuchiya, S., et al.: "Identification and characterization of a novel progesterone receptor-binding element in the mouse prostaglandin E receptor subtype EP2 gene."Genes to Cells. 8. 747-758 (2003)
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[Publications] Oka, T., et al.: "Characteristics of thermoregulatory and febrile responses in mice deficient in prostaglandin EP1 and EP3 receptors."J.Physiol.. 551. 945-954 (2003)
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[Publications] Hatae, N., et al.: "Induction of adherent activity in mastocytoma P-815 cells by the Cooperation of two prostaglandin E2 receptor subtypes, EP3 and EP4."J.Biol.Chem. 278. 17977-17981 (2003)
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[Publications] Amano, H., et al.: "Host prostaglandin E2-EP3 signaling regulates tumor-associated angiogenesis and tumor growth."J.Exp.Med.. 197. 221-232 (2003)