2004 Fiscal Year Annual Research Report
老化,酸化ストレスで誘発される現代的疾患の分子的病因解明と分子標的創薬
Project/Area Number |
15390029
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中山 仁 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (70088863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國安 明彦 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (90241348)
石塚 忠男 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (60176203)
川原 浩一 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (10347015)
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Keywords | スカベンジャー受容体 / CD36 / ミクログリア / 脂肪細胞 / ACAT阻害剤 / アルツハイマー病 / 脳虚血 |
Research Abstract |
我々は、老化および酸化ストレスが引き金と考えられる現代的疾患のいくつかについて、病態の発症・増悪の分子メカニズムの解析と、その機構を制御する化合物の探索を進めている。本研究では糖尿病、肥満、動脈硬化などの代表的生活習慣病、脳梗塞による神経細胞傷害、およびADなどの神経変性疾患について、(1)病因と密接に関わる分子機構の詳細を明らかにし、(2)その分子メカニズム上で作用する有効な活性化または阻害物質の開発、すなわち分子標的創薬をめざす。この目標達成のため、脂肪細胞、マクロファージ、および神経細胞、ミクログリアに絞って検討している。本年度得られた成果を以下に記す。 (1)酸化LDL刺激下の脂肪細胞のアディポサイトカイン放出制御:動脈硬化のモデル系として、酸化LDL負荷した時の脂肪細胞から放出される数種のアディポサイトカイン量の変化を調べた結果、いずれも病態を増悪させる方向への変化であることがわかった。中でも産生・分泌の増大が著明であったレジスチンについてさらに調べたところ、転写ではなく、翻訳レベルでの亢進であることを見い出した。その分子機構の詳細を明らかにし、これをブロックできる化合物を探索する。 (2)ミクログリアによる新規なAβクリアランス機構の解析:ある種のサイトカインで刺激したミクログリアにAβのクリアランス能が誘導され、それにはスカベンジャー受容体とプロテアーゼが関与することを既に明らかにしたが、本年度はこれがミクログリアの1つのサブタイプ(2型)に特異的な斬新な機構であること、また1型と2型を識別する単クローン抗体の作製にも成功した。 これらの成果は、次年度以降の研究に大いに弾みをつけるものであり、これらの成果をふまえ、本研究の更なる展開と深化をめざす。
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Research Products
(5 results)