2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規解熱鎮痛抗炎症薬開発を目指したPGE_2合成酵素の基盤研究
Project/Area Number |
15390031
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
村上 誠 昭和大学, 薬学部, 助教授 (60276607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 一郎 昭和大学, 薬学部, 教授 (30134612)
中谷 良人 昭和大学, 薬学部, 講師 (80266163)
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Keywords | PGE_2 / RGE_2合成酵素 / 炎症 / 癌 / 免疫組織化学 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
本研究では、これまでに同定された三種類のPGES(mPGES-1、mPGES-2、cPGES)の生理機能を明らかにすべく、本年度は、mPGES-1とcPGESの遺伝子欠損マウスを用いた個体レベルの機能解析に着手した。 mPGES-1:前年度からmPGES-1欠損マウスを用いた解析を実施しており、その表現型として、炎症性疼痛応答の軽減、背部皮下への綿糸移植に伴う炎症性肉芽形成と血管新生の軽減、またコラーゲン抗体誘導関節炎とそれに伴う骨破壊の緩和を観察し、既に論文報告した。また、マクロファージの炎症局所への遊走がmPGES-1欠損マウスでは有意に減少しており、これは組織中のケモカイン発現量の低下と相関していた。更に、mPGES-1欠損マウスへの癌移植実験を実施し、本マウスでは移植部位での腫瘍形成の抑制と肺への血行性転移が軽減することを明らかにした。逆に、mPGES-1を過剰発現させた肺癌細胞をヌードマウスに移植すると、肺への転移が著明に増加した。このことは、mPGES-1を標的とした薬物が新規抗炎症薬のみならず、抗腫瘍薬としても有用となる可能性を示唆している。 cPGES : cPGES欠損マウスを作成したところ、ヘテロマウス同士の交配で生まれてくるマウスの中にホモ欠損マウスは存在せず、本酵素の欠損は胎生致死であることがわかった。胎生期E16.5日で既に胎児の発育に遅延が見られた。E12.5日胚から胚由来線維芽細胞(MEF)を調整し、PGE_2産生能を調べた結果、野生型マウス由来MEFと比較して欠損マウス由来MEFではその産生量が有意に低下していた。
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Research Products
(6 results)