2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト肝臓におけるトランスポーター機能の評価:ヒト摘出肝移植マウスを用いた解析
Project/Area Number |
15390045
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 洋史 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80206523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠原 洋之 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (00302612)
菅原 寧彦 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (90313155)
吉里 勝利 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20095516)
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Keywords | 肝輸送 / 胆汁排泄 / OATP / MRP2 / 有機アニオン / 肝取り込み / ヒト肝細胞 / キメラマウス |
Research Abstract |
ヒト肝臓におけるトランスポーター機能評価を予測するシステムの構築を目的として、ヒト肝細胞を移植したキメラマウスを用い、検討を行った。肝有機アニオン輸送系の良好な基質であり、胆汁中への排泄が主な消失経路である高脂血症治療薬プラバスタチンをモデル化合物として用い、定常状態における血液中・肝臓中・胆汁中濃度を測定することによりクリアランス能力の評価を行った。その結果、胆汁排泄クリアランス(胆汁排泄速度/血中濃度)はヒト肝臓への置換率が低い移植マウス(1%程度)では高い移植マウス(80%以上)に比べ数倍程度大きいのに対し、胆管側膜クリアランス(胆汁排泄速度/肝臓中濃度)は低置換マウス・高置換マウス間で大きな違いが見られなかった。これは、プラバスタチンの肝臓への取り込み過程においてヒト・マウス間の種差が存在し、ヒトではマウスよりも輸送能力が低いのに対し、肝臓から胆汁中への排出過程における種差は小さいことを反映した結果であると考えられた。また、キメラマウスにおける輸送実験が、ヒトの個人差を反映する実験系となることを示すためには、,例えば遺伝的多型の影響で薬物の胆汁排泄能力が低下しているなどの特徴を有するヒト肝細胞を移植したキメラマウスを作成し、そのマウスにおいても胆汁排泄が低下していることを示す必要がある。そこで、本研究ではプラバスタチンの肝取り込みに関与するOATP-C/OATP1B1および胆汁排泄に関与するMRP2/ABCC2の遺伝的多型体の解析を行った。その結果、OATP1B1*15においては輸送能の低下が見られ、これはVmaxの顕著な低下に起因していることが明らかとなった。また、最も高頻度に観察されるV417I MRP2多型体は機能変化を引き起こさず、in vivoにおける輸送能に影響を与えないことを示唆する結果を得た。
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Research Products
(6 results)