2004 Fiscal Year Annual Research Report
網膜疾患に対する血液網膜関門のGLUT1を介した抗酸化物質輸送の意義
Project/Area Number |
15390046
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Research Institution | TOYAMA MEDICAL AND PHARMACEUTICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
細谷 健一 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (70301033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
登美 斉俊 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (30334717)
寺崎 哲也 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (60155463)
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Keywords | 血液網膜関門 / vitamin C / GLUT1 / 糖尿病 / 抗酸化物質 / 担体輸送 / 酸化的ストレス |
Research Abstract |
抗酸化物質であるvitamin C(ascorbic acid, AA)の網膜への供給機構解明は、網膜の酸化的ストレス保護、さらに網膜疾患の予防および治療において重要である。本研究は、酸化型vitamin C(dehydroascorbic acid, DHAA)の網膜移行性を血液網膜関門(BRB)に存在するヘキソース輸送担体であるGLUT1が担っていることを証明し、糖尿病状態におけるDHAAの網膜への輸送能の変動について解明することを目的とした。ラット網膜へのvitamin C輸送解析は^<14>CラベルしたAAおよびDHAAを用いてintegration plot法で解析した。糖尿病モデルラットはstreptozotocin(STZ,45mg/kg, iv)を投与して作製した。血液から網膜へのBRBを介した透過クリアランスは、[^<14>C]DHAAが[^<14>C]AAと比較して38倍高い値を示した。脳への血液脳関門を介した[^<14>C]DHAAの透過クリアランスは、網膜と同様に[^<14>C]AAよりも38倍高い値を示した。高速液体クロマトグラフィー解析から、網膜に取り込まれたDHAAは主にAAに変換されて存在することが示唆された。STZを投与したラットは、コントロールラットの血中グルコース濃度が7mMであったのに対し、25mMに上昇し、体重は約1/3であった。STZラットにおける[^<14>C]DHAAの網膜への透過クリアランスはコントロールに比べて31%低下した。網膜からtotal RNAを抽出してGLUT1 mRNAを定量した結果、STZラットとコントロールラット間で大きな違いは示されなかった。以上の結果から、網膜へのvitamin Cの供給はBRBに発現しているGLUT1を介してDHAAとして輸送されることが明らかとなった。さらに、糖尿病時にはGLUT1の基質であるグルコース濃度が上昇することから、網膜へのDHAA輸送能が低下し、網膜内vitamin C濃度が減少する可能性が示された。
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Research Products
(5 results)