2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390059
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
松野 健二郎 獨協医科大学, 医学部, 教授 (20094047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
史 常徳 獨協医科大学, 医学部, 助手 (80296152)
上田 祐司 獨協医科大学, 医学部, 助手 (10364556)
江崎 太一 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10128259)
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Keywords | 肝臓 / 樹状細胞 / stem cell / 肝移植 / コンジェニック動物 / transmigration / アロ抗原提示 / ラット |
Research Abstract |
1.異系ラット肝移植の系で、移植肝からパイエル板に遊走したMHCII陽性DC様ドナー細胞の解析 1)ドナー肝臓の非実質性細胞と、肝移植後のホスト脾臓細胞とパイエル板細胞から、MHCII陽性(+)DC様ドナー細胞を精製し、FACS蛍光解析した.フェノタイプは免疫染色のデータにほぼ一致し、T細胞受容体- Ig- MHCI+ MHCII+ ICAM1+ CD11b- CD11c- αEβ7 integrin- CD86-の未熟なDCであることが明らかになった(論文1). 2)さらに、B220に関しては、陽性群と陰性群に分かれた.B220陽性群はラットのplasmacytoid DC(pDC)のフェノタイプをもち、肝移植後に肝臓からパイエル板にtransmigrationするpDCであることをほぼ証明できた.並行して、マウスでpDCの前駆体が高内皮細静脈をtransmigrationし、ヘルペスウイルスに対する細胞障害性T細胞誘導の促進をすることを明らかにした(論文2).上の所見は、ラットでもdanger signalに呼応してtransmigrationするpDC細胞集団が存在することを示している. 3)バイエル板連続切片を免疫染色してみると、ホストBrdU+細胞とクラスターを形成するMHCII+ DC様ドナー細胞のフェノタイプは、B220陰性であった.一方、増殖能を持つDC様ドナー細胞はTcR+のものが多く、MHCII+のT細胞であることがわかり、ドナーDCの増殖能はまだ証明できてない. 2.コンジェニックラット肝移植の解析 1)移植後24ヶ月のホストラットが2匹作成できたので組織を免疫染色したところ、ドナー細胞が少数認められたが、DC様ドナー細胞はほとんど認められてない. 2)本課題のコンジェニックラットを用いて小腸移植の実験をおこなった.新生児小腸はたとえ凍結保存しても移植後再生するが、生後10日目の小腸だと再生できないこと、その時に両者を一緒に移植すると、生後10日目の小腸も再生することがわかった.これは、新生児小腸が血管新生を促進するためであると示唆された.新生児小腸の移植促進効果を解析してゆけば、拒絶応答の阻害法にヒントが得られるものと思われる(論文3).
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Research Products
(6 results)