2005 Fiscal Year Annual Research Report
内向き整流Kチャネルの電位およびKイオン依存性開閉機構
Project/Area Number |
15390067
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
松田 博子 関西医科大学, 医学部, 教授 (10181736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 恵 関西医科大学, 医学部, 助手 (50298189)
林 美樹夫 関西医科大学, 医学部, 助手 (10368251)
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Keywords | 内向き整流Kチャネル / Kイオン |
Research Abstract |
膜二回貫通型Kチャネル結晶のX線解析により、selectivity filterの入口付近にKイオンが結合していることがわかっている。この部位を同定するため、内向き整流Kチャネル(Kir2.1)の細胞外ループ(M1とH5、H5とM2の連結部)の酸性アミノ酸残基を中性化した。変異体遺伝子(D112N、D114N、E125Q、D152N、E153QおよびD112N/D114N)を導入した培養細胞(COS1細胞、HEK293細胞)では内向き整流K電流を記録できたが、D152N/E153Qを導入した細胞では内向き整流K電流を記録できなかった。野生型(WT)遺伝子あるいはE153Q1個と、D152N/E153Q変異体遺伝子3個を直列に連結した遺伝子(WT-(D152N/E153Q)3、E153Q-(D152N/E153Q)3)を導入すると、内向き整流Kチャネル電流を記録できるようになったが、D152N-(D152N/E153Q)3を導入した細胞では内向き整流K電流を記録できなかった。したがってD152、E153の陰性電荷が細胞外Kイオンの結合とチャネルの活性化に関与していること、D152の場合は陰性電荷1つでよいが、E153の場合は2つ以上の陰性電荷が必要であることが示唆された。またWTおよび内向き整流性が弱いD172N/E224S変異体遺伝子を導入した細胞でoutside-out法で電流記録を行うと、細胞外Kイオンがなくても外向き電流を記録することができた。細胞内から流出するKイオンが細胞外結合部位に結合し、チャネルを開状態に保つと推測した。
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