2003 Fiscal Year Annual Research Report
炎症・神経損傷モデルにおける寒冷による疼痛増悪の末梢性機構の解析
Project/Area Number |
15390070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水村 和枝 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (00109349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片野坂 公明 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (50335006)
小崎 康子 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (20126882)
佐藤 純 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (00235350)
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Keywords | 炎症 / 神経因性疼痛 / 痛覚過敏 / 寒冷 / 冷感受性イオンチャネル / 関節リウマチ / 皮膚侵害受容器 / 皮膚C線維低閾値機械受容器 |
Research Abstract |
慢性リューマチの痛みや神経因性疼痛が寒冷により増悪する末梢性神経機構を解析した。足根関節内へのアジュバント投与により誘起したラット単関節炎モデルにおいて、アジュバント接種後2週間目以後に環境温度を22℃から15℃への低下させると、機械疼痛閾値の低下、機械疼痛反応の増大が見られた。また患肢を冷水につけると足振り行動(逃避行動の1つ)の回数が増えた。単一神経記録をおこなって冷感受性を調べたところ、C-線維低閾値機械受容器の冷反応が増大し、冷却に応答する侵害受容器受容器の割合が増大していた。このモデルの後根神経節で、最近明らかになった冷感受性イオンチャネル(TRPM8,ANKTM1)および冷感受性のあるKチャネル(TREK1)のmRNA発現量を調べたところ、ANKTM1は冷痛覚過敏のない接種後2日目に両側性に増大していたが、他のチャネルには変化が見られなかった。冷痛覚過敏の見られた2週間目にはどのチャネルのmRNAの発現にも変化が見られなかった。変化が小さくて検出できなかったのか、発現量は不変で炎症メディエーターなどによって反応性が修飾されているのかもしれない。次に、培養後根神経節細胞においてCaイメージングにより冷反応を調べた。鋸歯状冷却に対して、非常に早く(わずかな温度低下に対して)大きく反応する細胞群(おそらくTRPM8を発現)と、大きな温度低下に対してしか反応しない細胞群(おそらくANKTM1を発現)とが見られた。これらの細胞群の反応が、炎症においてどのように変化するか、現在解析中である。また、培養後根神経節細胞の酸に対する反応を細胞内記録により調べたところ、最初に見られる順応の早い脱分極は温度低下により増大するのに対し、それに続く持続性の反応はむしろ減弱した。薬理学的特性から前者はDRASICが、後者はTRPV1が関わっていると推定された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Sato J, Aoyama M, Yamazaki M, Okumura S, Takahashi K, Funakubo M, Mizumura K: "Artificially produced meteorological changes aggravate pain in adjuvant-induced arthritic rats"Neuroscience Letters. 354. 46-49 (2004)
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[Publications] Sugiura T, Kasai M, Katsuya H, Mizumura K: "Thermal properties of acid-induced depolarization in cultured rat small primary afferent neurons"Neuroscience Letters. 350. 109-112 (2003)
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[Publications] Takahashi K, Sato J, Mizumura K: "Responses of C-fiber low threshold mechanoreceptors and nociceptors to cold were facilitated in rats persistently inflamed and hypersensitive to cold"Neuroscience Research. 47. 409-419 (2003)
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[Publications] Mizumura K, Takahashi K, Sato J: "Hyperalgesia/allodynia to cold in persistently inflamed rats- changes in C-fiber receptor activities and cold-sensitive ion channel expression. In Hyperalgesia : Molecular Mechanisms and Clinical Implications"IASP Press (Eds.K.Brune, H.Handwerker)(In press). (2004)