2004 Fiscal Year Annual Research Report
上皮細胞の形態形成に関わるタンパク質群の同定と機能解析
Project/Area Number |
15390090
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古瀬 幹夫 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90281089)
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Keywords | 上皮細胞 / 細胞極性 / 細胞間接着 / 細胞骨格 / GFP / 細胞膜ドメイン |
Research Abstract |
平成16年度は、上皮細胞に特有な構造の中でも細胞間接着構造濃縮するタンパク質を同定することにターゲットを絞りスクリーニングを行った。発現cDNAライブラリーとして、新たにマウス唾液腺由来細胞株であるCSG細胞から作製したものを用いたところ、前年度に作製したマウス乳腺由来上皮細胞株Eph4のcDNAライブラリーに比較してクローニングされる既知タンパク質のバックグラウンドが低いことが明らかになったため、専らこのcDNAライブラリーを使用した。その結果、細胞間接着構造に濃縮するという意味で新規なタンパク質を数種類同定することに成功し、前年度に得られたものと合わせて解析を行った。個々のタンパク質に対する抗体を作製してマウス組織における発現と細胞内局在を調べるとともに、様々な欠失変異体を作製して細胞間接着構造への局在化に必要な領域を決定した。個々のタンパク質に関する詳細は以下の通りである。 1)homer2 シナプス後膜に局在し様々なタンパク質を集積させる裏打ちタンパク質のサブタイプ。上皮細胞間接着構造のうちアドヘレンスジャンクション(AJ)に局在することを明らかにした。2)abLIM3 神経系、あるいは網膜においてアクチン繊維と相互作用して機能することが知られている未発表のabLIMのサブタイプ。肺、および筋組織の血管内皮細胞のAJに局在することを明らかにした。3)新規コイルドコイルタンパク質 多くの上皮細胞、血管内皮細胞のAJ付近に局在する。小胞状にも分布することから、細胞間接着と小胞輸送の未知の相互作用を担うことが期待される。 現在これらの分子について、培養上皮細胞における強制発現およびRNAiによる発現抑制を行い、機能解析を進めている。
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Research Products
(4 results)