2004 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子遺伝子を用いた胚幹細胞のインスリン産生細胞への分化誘導
Project/Area Number |
15390092
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮崎 純一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10200156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倭 英司 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20273667)
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Keywords | ES細胞 / 転写因子 / インスリン / 再生 / ベータ細胞 / 糖尿病 |
Research Abstract |
膵ベータ細胞への効率的な分化誘導を目的として、ベータ細胞への分化に関与すると考えられる転写因子の発現を誘導できるシステムを導入したES細胞において、胚様体形成過程、あるいは形成後に対象遺伝子を発現させ、その影響を検討している。導入する転写因子遺伝子は、isl-1、pdx-1、neurogenin3などベータ細胞分化に重要とされる因子を検討した。まず、テトラサイクリン制御下にpdx-1遺伝子の発現制御可能なES細胞を作製した。この細胞を分化誘導した場合、pdx-1遺伝子の発現によりインスリン産生細胞が効率的に分化してくるかどうかを、RT-PCR、免疫染色などで検討した。さらにグルカゴン、ソマトスタチンなど膵臓関連遺伝子についても同様の検討を行い、分化してくる細胞の解析を行った。次にアデノウイルスベクターを用いて導入した遺伝子の影響を検討した。種々の転写因子(isl-1、pdx-1、neurogenin3、HNF3、HNF6、Pax4、mafAなど)の遺伝子を組み込んだアデノウイルスベクターを作製し、細胞に導入した。これらの方法により得られた細胞について、RT-PCR、免疫染色により、インスリンを始め膵臓関連遺伝子の発現を検討した。その結果、pdx-1遺伝子の発現誘導により、効果的にインスリン産生細胞が分化することをが示された。また、グルカゴン、ソマトスタチン遺伝子などの発現も認められた。さらに、neuroD遺伝子を組み込んだアデノウイルスベクターを導入した細胞について、RT-PCR解析を行った結果、インスリン2遺伝子の発現上昇のみならず、インスリン1遺伝子が発現してくることが示された。現在、さらにそれぞれの遺伝子について、詳細な解析を進めている。
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Research Products
(2 results)