2003 Fiscal Year Annual Research Report
膜結合型増殖因子HB-EGF-カルボキシ末端の新規シグナリング-遺伝子転写抑制解除の分子機構-
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15390097
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
東山 繁樹 愛媛大学, 医学部, 教授 (60202272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 千恵 愛媛大学, 医学部, 助手 (10332826)
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Keywords | HB-EGF / shedding / repressor / PLZF / EGF family / metalloprotease / gene regulation |
Research Abstract |
HB-EGFのプロセシング後に細胞膜表面に残るHB-EGF-Cは速やかに核に移行し、転写リプレッサーPLZFに結合して、PLZFの核外くみ出しの反応を誘導する。これにより、PLZFにより転写抑制を受けていた遺伝子群の発現抑制が解除され、転写が誘導されることをこれまでに明らかにしてきた。本年度は、ヒト表皮ケラチノサイトにおいてHB-EGF-C/PLZF/CyclinA (PLZFの標的遺伝子の一つ)が連動するかどうかを検討した結果、明らかな連動を確認した。さらに、HB-EGFのプロセシング阻害剤KB-R7785がHB-EGF-Cの産生を抑制すると共に、CyclinAの発現誘導を抑制することを明らかにした。これにより、PLZFの発現が認められる細胞ではHB-EGFのプロセシング阻害によって細胞周期の進行が遅延することをFACS解析により示した。 一方、HB-EGF-C核内移行について解析を進めた結果、HB-EGF-Cは膜貫通領域を持ったまま核内へ移動すること、細胞膜表面から細胞質への取込みはクラスリン依存性のエンドサイトーシスによること、他の膜タンパク質で報告されているようなγ-セクレターゼによる膜貫通領域での切断は受けないことを明らかにした。 以上のことから、HB-EGFのプロセシングは増殖因子としての細胞外ドメインを放出するのみならず、細胞内にシグナルを伝達するHB-EGF-Cを産生する反応でもあることを明らかにした。また、HB-EGF-Cが細胞増殖を制御するシグナル分子であることを初めて明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nakano, N., Higashiyama, S., et al.: "The N-terminal region of NTAK/neuregulin-2 isoforms has an inhibitory activity of angiogenesis"J.Biol.Chem.. (in press). (2004)
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[Publications] Sahin, U.H., Higashiyama, S., et al.: "Distinct roles for ADAM10 and 17 in ectodomain shedding of six EGFR-ligands"J.Cell Biol.. 164. 769-779 (2004)
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[Publications] Nanba, D., Higashiyawa, S.et al.: "Proteolytic release of the carboxy-terminal fragment of heparin-binding EGF-like Growth Factor causes nuclear export of PLZF"J.Cell Biol.. 163. 489-502 (2003)
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[Publications] Mori, S., Higashiyama, S.et al.: "SH3-domain containing protein PACSIN3 binds Meltrin α/ADAM12 cytoplasmic domain and modulates ectodomain shedding of HB-EGF"J.Biol.Chem.. 278. 46029-46034 (2003)
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[Publications] Iwamoto, R., Higashiyama, S.et al.: "HB-EGF and ErbB signaling is essential for heart function"Pro.Natl, Acad Sci.U.S.A.. 100. 3221-3226 (2003)
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[Publications] Yamazaki, S., Higashiyama, S.et al.: "Mutant mice with defects in the ectodomain shedding of HB-EGF show sever abnormal development"J Cell Biol.. 163. 469-475 (2003)