2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390104
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浜口 道成 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90135351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 隆司 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60223426)
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Keywords | シグナル伝達系 / 足場非依存増殖 / 細胞癌化 / Src / Ras / 細胞間接着 / コネキシン |
Research Abstract |
癌の本質は、無規律的増殖にある。この特異な増殖性は培養細胞系で、「足場(接着)に依存しない増殖能の獲得」によって再現される。換言すると、正常細胞には、接着を介する高度に組織化された増殖制御機構が存在する事を意味する。今日、増殖因子等による細胞増殖制御機構についてはかなりの詳細が明らかになった。しかし残念な事に、正常細胞と癌細胞の増殖の分水嶺となる「足場依存細胞増殖制御機構」については今だ殆ど明らかでない。我々は、数年来足場依存細胞増殖制御機構に取り組み、独自の解析系を樹立した。この系は、癌遺伝子v-srcで癌化した細胞(SR3Y1)に、細胞膜蛋白質SHPS-1を発現する事により樹立できた。SHPS-1発現SR3Y1は、形態はSR3Y1と変わらず癌化しており、接着状態での増殖も遜色ない。しかし驚く事に、その増殖は強く足場依存となり、ヌードマウスでの造腫瘍性を失っていた。本研究は、これらの実験系を用いて、足場非依存増殖を制御するシグナル伝達系を明らかにしようとするものである。昨年来,我々は、ヒト型SHPS-1の機能を解析しているが、他方米国の研究者らを中心に、腫瘍特異的な増殖におけるギャップ結合の重要性が注目されている。そこで、ギャップ結合を介する細胞間情報伝達の制御に影響を与えるシグナル伝達系について解析を進めた。その結果、従来報告されているギャップ結合構成因子のコネキシンのチロシンリン酸化の他に、Rasを介するシグナル伝達の恒常的な活性化が必要である事が明らかになった。
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Research Products
(4 results)