2003 Fiscal Year Annual Research Report
1分子イメージング画像システムによる糖尿病でのインスリン開口放出不全機構の解明
Project/Area Number |
15390108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
永松 信哉 杏林大学, 医学部, 教授 (80231489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 卓 杏林大学, 医学部, 教授 (00191768)
今泉 美佳 杏林大学, 医学部, 助手 (40201941)
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Keywords | インスリン / TIRFM / 開口放出 / 1分子イメージング / 膵β細胞 / 糖尿病 / インスリン分泌 |
Research Abstract |
成人の五人に一人が発症し、動脈硬化症の最大の促進因子である糖尿病は、今や大きな社会問題へと発展している。日本における2型糖尿病は、膵β細胞からのインスリン分泌不全にその主たる原因がある。しかしながら、現時点においてインスリン分泌そのものの基礎的メカニズムすら十分には解明されておらず、特に、インスリン開口放出機構におけるメカニズム、すなわち、インスリン分泌顆粒を開口放出部位に供給し、係留する機構、並びにCa^<2+>シグナルに応答してインスリン顆粒と形質膜を融合させる機構の解明は未だ不十分である。代表研究者らは、形質膜直下における単一インスリン分泌顆粒の動態、すなわち、分泌顆粒と形質膜のdocking、fusionに至る過程を詳細に解析出来るシステムを、TIRF(total internal reflection fluoresecnt)顕微鏡を用いてインスリノーマ細胞MIN6に確立した。代表研究者らは、第1にこのシステムをインスリノーマMIN6細胞のインスリン顆粒をGFPにて標識することにより確立したが、将来的に糖尿病実験動物を用いた解析に移行していくためには、初代培養膵β細胞を用いた系を確立することが必須である。そこで、本年度は、初代培養膵β細胞のインスリン顆粒を特異的にGFPにて標識するために、ヒトインスリンcDNAのC末端にEGFPを導入した発現ベクターをアデノウィルスに導入、Adex1CA pchi-GFPを作製した。このウィルスベクターは、初代培養β細胞のインスリン顆粒を特異的にGFPにて標識した。このアデノウィルス処理β細胞は、グルコース刺激下においても、生理的な2相性開口放出を行うことが我々TIRFのシステム、及びperifusionシステムにおいて確認され、ここに初代培養膵β細胞のインスリン顆粒動態解析のためのTIRFシステムが確立された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 永松信哉: "ホルモン分泌の生化学的機構"内分泌・糖尿病科. 17. 519-525 (2003)
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[Publications] 永松信哉: "2相性インスリン分泌機構"Diabetes Frontier. 15. 39-45 (2004)
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[Publications] Katsuta H, Nagamatsu S et al.: "Insulinotropic action of glutamate is dependent on the inhibition of ATP-sensitive potassium channel activities in MIN 6 beta cells."Biochem Biophys Res Commun. 311. 660-664 (2003)
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[Publications] Nakamichi Y, Nagamatsu S et al.: "PPAR-gamma overexpression suppresses glucose-induced proinsulin biosynthesis and insulin release synergistically with pioglitazone in MIN6 cells."Biochem Biophys Res Commun. 306. 832-836 (2003)
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[Publications] Ohara-Imaizumi M, Nagamatsu S et al.: "Site of docking and fusion of insulin secretory granules in live MIN6 β cells analyzed by TAT-conjugated anti-syntaxin 1 antibody and total internal reflection fluorescence microscopy."J Biol Chem. 279. 8403-8408 (2004)
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[Publications] Nagamatsu S et al.: "Recent research development in biophysics & biochemistry"SNARE-mediated insulin exocytosis.. 457-470 (2003)