2004 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ球特異的転写因子IRF-4の成人T細胞性白血病へのかかわり
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15390117
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松山 俊文 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30165922)
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Keywords | インターフェロン / IRF-4 / ATL / ISRE / 樹状細胞 |
Research Abstract |
ATLの発症におけるIRF-4の関与についての検討から、IRF-4の発現と病型の間には密接な相関があることが明らかとなり、また試験管内実験系での細胞周期における検討からT細胞分裂刺激によりIRF-4の発現上昇がS期に先駆けて起こること、IRF4の導入された細胞でS/M期への移行が増加することが証明された。この研究では、T細胞におけるIRF-4の下流遺伝子の同定とその作用機序の解明を目指してin vitro, in vivo(IRF-4欠損マウス)の両面から行い以下の結果を得た。 1.IRF-4の標的配列決定のためPCRに基づいた至適配列決定を行った結果、IRF-4は5'-GAAA-3'のコア配列の前後にCpCが付加した配列を好むことが解った。これに近い配列をヒトゲノムの中で検索した結果、ファミリーに属するTRAILと、現在役割が不明のDCIRが同定された。実際にこの配列はこれら遺伝子のプロモーターの中でIRF-4の標的配列として機能していることも確認した。 2.IRF-4遺伝子欠損マウスを解析した結果、IRF-4はCD11bhighCD8α-樹状細胞の分化に関わっていること、またIRF-4の発現はCD11bhighCD4+CD8α-に、IRF-4のカウンターパートであるIRF-8の発現はCD11blowCD8α+と相補的な形をとることを証明した。IRF-4遺伝子欠損樹状細胞ではMHCクラスIIの発現がなく抗原提示細胞としての機能も欠損しているがその理由の一つとしてCIITAの発現がないことが証明された。すなわちIRF-4の標的としてCIITA遺伝子があることが示された。 3.IRF4遺伝子のプロモーター解析から、-51から-28の領域が活性の維持に重要であることが明らかになった。この領域には、分子量60kDaの未知のタンパク質の方がSP1よりも特異的に結合することが明らかになった。
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