2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390125
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
椙村 春彦 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00196742)
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Keywords | 胃癌 / 胃癌感受性 / 分子疫学 / 胃癌家系 / 遺伝子多型 / ハプロタイプ / Peutz-Jeghers症候群 / CDH1 |
Research Abstract |
胃癌の個体感受性に関して以下研究を行った。 1.胃癌を家族性に発生した、Peutz-Jeghers症候群例から、LKB1遺伝子の生殖細胞系列の変異を見いだした。興味深いことに、腫瘍内でのセカンドヒットは、LOH検索でもまた、メチル化でも同定されず、腫瘍化にはあらたな因子の関与が推察された。 2.胃癌の症例対照DNAを用いて、胃癌感受性に関わる候補遺伝子CDH1の多型解析、およびハプロタイプ解析をおこなった。そのけっか、5%ほどみられる、ハプロタイプ胃癌リスクを優位に上昇させていることを明らかにした。これらのハプロタイプは、胃癌家族歴との関連がみられ、個体感受性の分子基盤の一部であることが推察された。 3.マイクロサテライト解析による全ゲノム解析を、胃癌集積1家系において行い、染色体の部位のうち5箇所が候補部位として同定された。さらにその部位から、イン シリコで発現遺伝子を単離中である。 4.EPHA7というキナーゼ遺伝子が胃癌をふくむ消化管腫瘍で、メチル化をうけていることを見いだした。このメチル化は大腸腺腫などのように、前癌状態からおこっており、さらに、緑茶成分でメチル化をみていることなどから、消化管腫瘍の感受性について、エピジェネティックなものが、環境要因と相関してはたらいている可能性を示唆した。 5.Cyp2C19のpoor metabolizerが日本人ヘリコ陽性患者で、胃癌発生のリスクになっていることを見いだした。 6.胃癌の染色体不安定性が、その予後を予想する指標になることを明らかにした。家族歴のある多発胃癌ではむしろこれらの胃癌の染色体不安定性は少なく、従って、個体感受性の高い個体に発生した胃癌の予後は意外に良いという逆説的な所見が成り立つ。
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Research Products
(6 results)