2004 Fiscal Year Annual Research Report
EBウイルスがコードする機能性RNA分子EBERの研究
Project/Area Number |
15390147
|
Research Institution | Hokkaido Univerisity |
Principal Investigator |
高田 賢蔵 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (30133721)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸尾 聖爾 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (70292018)
岩切 大 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助手 (10307853)
|
Keywords | EBウイルス / EBER / IGF-1 / IL-10 / プロモーター / 転写活性化 / 小RNA |
Research Abstract |
我々は以前の研究で、EBERがIL-10、IGF-1の発現を転写活性化することを明らかにした。本研究ではIL-10、IGF-1プロモーターの解析により、EBERレスポンス領域の同定を行った。IL-10遺伝子のプロモーター領域約3kbをgenomic PCR法により増幅、ルシフェラーゼ発現ベクターにクローニングし、さらに欠失変異体も作製した。これらをバーキットリンパ腫細胞に導入しluciferase assayを行い、IL-10遺伝子の転写は、転写開始点より-240〜-200の領域によって負に制御され、-200〜-170の領域で正に制御されていることを明らかにした。また、EBウイルス陽性、または陰性の細胞を用いて検討したところ、これらの領域による転写調節がEBウイルス陽性の細胞の方がより活性が強く、強力に働いていることを明らかにした。このことから、この領域に結合する転写調節因子複合体にEBERであると考えられるEBウイルス由来の因子が直接的又は間接的に作用し、IL-10遺伝子の転写を正に制御しているのではないかと考えられた。さらに、IGF-1プロモーターを含んだレポーターベクターを構築し、EBERを安定発現させたNU-GC-3細胞(NU-GC-3/EBER)に導入しレポーターアッセイを行った。その結果、NU-GC-3/EBERにおけるIGF-1プロモーターの活性は対象であるネオマイシン耐性遺伝子導入細胞NU-GC-3/Neoに比較して高かった。さらにIGF-1プロモーターの欠損プラスミドを作製し、レポーターアッセイを行った。その結果、IGF-1プロモーター領域のうち、-1248から-733までの部位がEBERによる転写活性化に関与していることが確認された。
|
Research Products
(6 results)