2004 Fiscal Year Annual Research Report
サイトメガロウイルス・HHV-6の再活性化に対する新しい診断原理の確立
Project/Area Number |
15390149
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山西 弘一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10029811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 一博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70234929)
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Keywords | サイトメガロウイルス / ヒトヘルペスウイルス6 / HCMV / HHV-6 / 潜伏感染 / 再活性化 / 潜伏感染遺伝子 / HHV-7 |
Research Abstract |
サイトメガロウイルス(HCMV)やヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)の「再活性化が生じる可能性の高さ」を診断する原理と方法を開発し、「再活性化が生じる可能性の高い宿主の変化」の検出も試みることを目標とする。この2つのウイルスは、ともにβ-ヘルペスウイルス亜科に属する近縁のウイルスであり、これまでの我々の研究からも、潜伏感染・再活性化の機序が類似していることが示唆されている。 前年度までに、再活性化の第一段階となる遺伝子発現の変化をとらえ、β-ヘルペスウイルスには潜伏感染から再活性化に至る過程に、比較的安定で遺伝子発現が活発な中間状態が存在することを示した。本年度は、β-ヘルペスの再活性化の誘導因子を検討することにより、「再活性化が生じる可能性の高い宿主の変化」をとらえることを試みた。 一般にヘルペスウイルスは、何らかのストレスによって再活性化が誘導すると言われているが、具体的なことはほとんど明らかになっていない。我々は、HCMV、HHV-6の再活性化ウイルスが唾液中に放出されることに注目し、これらと同様に唾液に放出されるヒトヘルペスウイルス7(HHV-7)とエプシュタイン・バーウイルス(EBV)とともに、ストレスと唾液中への再活性化ウイルスの放出との関係を検討した。 この結果、HHV-6の再活性化が、通常の頭脳労働を含む仕事のストレスによって誘導されることが判明した。また、HHV-6の再活性化は、慢性疲労症候群患者などで見られる免疫不全状態とは関係ないことも判明した。またこれに対し、HHV-7の再活性化は、慢性疲労症候群と関係することが判明した。この結果は、HHV-6を含むβ-ヘルペスウイルスの再活性化の診断法の発展に寄与するのみならず、これまで測定法の無かった、仕事による疲労の客観的測定法の開発に道を開くものであると考えられた。
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Research Products
(2 results)