2004 Fiscal Year Annual Research Report
免疫担当細胞の分化及び機能制御シグナルとLnkファミリーアダプター蛋白質
Project/Area Number |
15390157
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高木 智 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (10242116)
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Keywords | アダプター蛋白質 / 細胞増殖 / シグナル伝達 / 肥満細胞 / アクチン細胞骨格 / リンパ球 / B細胞 / サイトカイン |
Research Abstract |
1、免疫系恒常性維持におけるLnkファミリーアダプター蛋白質群の機能解明 Lnk、APS、SH2-Bはアダプター蛋白質ファミリーを形成しており、各種免疫担当細胞に発現する。これらのアダプター蛋白質群の肥満細胞における機能について、それぞれの遺伝子欠損マウスから骨髄由来肥満細胞(BMMC)を作製し検討した。Lnk欠損及びSH2-B欠損BMMCでは異常はは生じないが、APS欠損BMMCではFcεRI架橋刺激による脱顆粒の亢進がみられることを明らかにした。Lnkファミリー蛋白質群で重複する生理機能を明らかにするため、重複欠損マウスを作製し解析した。Lnk/APS重複欠損マウスは、Lnk欠損マウスでみられる造血幹細胞の増加及びB細胞過剰産生、APS欠損マウスでみられるB-1細胞増加を呈した。APS, SH2-Bは神経節細胞でも発現しておりNGF受容体からのシグナルへの関与が示唆されているが、SH2-B/APS重複欠損マウスの運動能に障害はなく、また胎児神経節細胞のNGF依存性増殖にも異常はみられなかった。現在までのところLnkファミリー分子間で重複する作用はないと思われる。 2、Lnkファミリーアダプター蛋白質群の作用発現の分子機構 Lnkを過剰発現させた細胞株ではアクチン細胞骨格に変化が生じ、細胞分裂や細胞遊走が阻害された。Lnkを過剰発現するトランスジェニックマウスB細胞では細胞径の増大とともに細胞周期の異常が観察された。アクチン細胞骨格系の制御につながるシグナル伝達系について解析し、LnkがVav、Rac、PAK、filaminと複合体を形成すること、アクチン重合に促進的に働くことを明らかにした。Lnkは増殖シグナル抑制とともにアクチン細胞骨格の制御にも関与し細胞分裂や接着・遊走を制御する可能性が示された。
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Research Products
(4 results)