2003 Fiscal Year Annual Research Report
免疫寛容における遺伝子発現制御機構とその破綻による免疫異常の研究
Project/Area Number |
15390159
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
瀧 伸介 信州大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50262027)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥田 重明 信州大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10345762)
|
Keywords | 樹状細胞 / 免疫応答 / T細胞 / インターフェロン / 転写因子 / 遺伝子欠損マウス / 骨髄キメラ / NK細胞 |
Research Abstract |
転写因子インターフェロン制御因子(IRF-2)を欠損するマウス(IRF-2^<-/->マウス)で観察される皮膚炎症やTh2シフトの機構を明らかにするために、本研究においては、まず免疫応答の開始に必須であるとともに、Th1/Th2バランスの調節にもきわめて重要である樹状細胞(DC)の性状を検討した。DCには、その細胞表面におけるCD4、CD8分子の発現によって、3つのサブセットが存在することが知られているが、IRF-2^<-/->マウスにおいては、CD4陽性のサブセットが激減していた。これは骨髄細胞におけるIRF-2の欠損によっていることが、野生型マウスにIRF-2^<-/->マウス骨髄を移入した骨髄キメラの実験によって明らかになった。また、表皮に存在するDCであるLangerhans細胞においても、そのCD4陽性サブセットが欠損していることも明らかとなった。IRF-2の一つの生理的機能は、我々が以前に明らかにしたように、I型インターフェロン(IFN-α/β)シグナルの負の制御であり、この機能の喪失がIRF-2^<-/->マウスにおける皮膚炎の発症機構に必須である。この機能と、今回明らかにしたDCの分化異常との関連を明らかにするために、IRF-2、IFN-α/β受容体二重欠損マウスを作成して検討したところ、CD4陽性DCはほぼ正常に復帰していた。したがって、皮膚炎同様CD4陽性DCの分化異常もまたIFN-α/βシグナルの過剰によっていることが明らかになった。一方、すでに知られているIRF-2^<-/->マウスにおけるナチュラルキラー(NK)細胞の分化異常は、該二重欠損マウスにおいても是正されず、したがって造血系細胞の分化におけるIRF-2の役割は単一ではないことが明らかになった。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Ichikawa, Eri: "Defective development of splenic and epidermal CD4^+ dendritic cells in mice deficient for interferon regulatory factor-2"Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A. (印刷中). (2004)
-
[Publications] Ishizuka, M.: "Overexpression of human acyl CoA thioesterase upregulates peroxisome biogenesis"Exp. Cell. Res. (印刷中). (2004)
-
[Publications] Fujii, T.: "Predominant role of FcγRIII in the induction of accelerated nephrotoxic glomerulonephritis"Kidney Int.. 64. 1406-1416 (2003)
-
[Publications] Honda, K.: "Prostaglandin D2 reinforces Th2 type inflammatory responses of airway to low dose antigen through bronchial expression of macrophage-derived chemokine"J. Exp. Med. 198. 533-543 (2003)