2004 Fiscal Year Annual Research Report
CD4サイレンシングの分子機構とリンパ球分化過程におけるRunxの役割の解明
Project/Area Number |
15390162
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Research Institution | RIKEN (Institute of Physical and Chemical Research) |
Principal Investigator |
谷内 一郎 独立行政法人理化学研究所, 免疫転写制御研究チーム, チームリーダー (20284573)
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Keywords | サイレンシング / エピジェネティクス / Runxファミリィー / CD4 / T細胞分化 |
Research Abstract |
クロマチン構造を介したエピジェネティックな遺伝子発現制御機構、特にヘテロクロマチン様構造を介したジーンサイレンシングは、近年最も精力的に研究されている分野である。しかしながら、高等動物の発生分化過程で、特異な遺伝子が分化段階特異的にサイレンシングされる機構とその意義は良く解っていない。我々は、CD4遺伝子がCD4サイレンサーの機能を介して分化段階特異的にサイレンシングされ、サイレンサーの機能にはRunxファミリーの結合が重要な事を明らかにしてきた。 本研究では更に研究を押し進め、Runx1、Runx3やCbfβといったRunxファミリー遺伝子について、新たに組織特異的変異マウスやアイソフォーム特異的変異マウス作製し、CD4サイレンシングの分子機構やRunxファミリーのリンパ球分化における役割を解析した。 その結果、DP胸腺細胞ではRunx3の発現のみではCD4サイレンシングの誘導には不十分である事、特異的なCbfβアイソフォームがCD4サイレンシングに必須である事、Runx1とRunx3はCD4サイレンシングやT細胞分化に相補的な機能を持つ事、Runx1はNKT細胞の分化に必須である事、Runx1のC末端にあるVWRPY配列は転写抑制(CD4サイレンシング等)に重要であるばかりでなく転写活性化にも関与しNKT細胞の分化に必須である事、Runx1はEβエンハンサーへの結合を介しTCRβ遺伝子の初期活性化に必須であるがその維持には必要無い事等を見いだした。
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Research Products
(5 results)