2003 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレス関連蛋白チップの作製とその疾患バイオマーカーとしての有用性に関する検討
Project/Area Number |
15390178
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
吉川 敏一 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (90158410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 寛 京都府立大学, 人間環境学科, 助教授 (60336732)
内藤 裕二 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (00305575)
吉田 憲正 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (30166962)
高野 裕久 国立環境研究所, 環境ホルモンダイオキシン研究プロジェクト, 総合研究官 (60281698)
古倉 聡 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (80347442)
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Keywords | プロテインチップ / プメテオーム解析 / 疾患バイオマーカー / 生活習慣病 / 酸化ストレス / 予防医学 / モノクローナル抗体 / 糖尿病 |
Research Abstract |
生活習慣病をはじめとする疾病の発症・進展機構を解明し、その疾病の治療・予防にいかすためには、遺伝因子と環境因子の解析が重要である.環境因子については、外因性あるいは内因性のフリーラジカル反応の亢進による「酸化ストレス」が生活習慣病の発症や進展に関与することが示唆されてきた.しかし、in vivo個体を用いた検討では酸化ストレスの意義が十分に解明されたわけではない.その最大の原因は、酸化ストレスを特異的に評価する血清バイオマーカーの不足による点が大きい.本研究においては、各種生活習慣病動物モデルを用いて、生活習慣病などの疾病の発症・進展に関与する血清バイオマーカーをプロテインチップにより網羅的に解析する.プロテインチップとしては酸化ストレスによって傷害されたタンパク、DNAおよびリン脂質などに特異的なモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体を利用した抗体チップを作製する研究を計画した.平成15年度には、プロテオーム研究を実施するために必要な設備を整備し、SELDI-TOF-MS技術を応用したプロテオームを解析を開始した.研究システムの構築ならびに機器の調整のために、糖尿病患者血清を用いてプロテインチップによる解析を開始したが、すでにいくつかの糖尿病患者で上昇あるいは低下するピークを見いだしており、現在その蛋白質を同定中である. さらに、過剰なフリーラジカル生成により生じる特異的傷害マーカーとして、8-ヒドロキシデオキシグアノシン、4-ヒドロキシ-2-ノネナール、マロジアルデヒド、アクロレイン、ヘキサノイルリジン、ニトロチロシン、ジチロシン、フォスファチジルコリンペルオキシドなどの酸化ストレスマーカーを選択し、そのモノクローナル抗体の作製過程にある.それらの抗体により、随時、酸化ストレス関連抗体チップを作製し、その有用性、実用性について検討していきたい.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Aoi W, Naito Y, Sakuma K, Yoshikawa T et al.: "Astaxanthin limits exercise-induced skeletal and cardiac muscle damage in mice"Antioxidants & Redox Signaling. 5. 139-144 (2003)
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[Publications] Kuchide M, Tokuda H, Yoshikawa T, et al.: "Cancer chemopreventive effects of oral feeding alpha-tocopherol on ultraviolet light B induced photocarcinogenesis of hairless mouse"Cancer Lett. 196. 169-177 (2003)
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[Publications] Kokura S, Yoshida N, Yoshikawa T, et al.: "Hyperthermia enhances tumor necrosis factor alpha-induced apoptosis of a human gastric cancer cell line"Cancer Lett. 201. 89-96 (2003)
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[Publications] Tomatsuri N, Yoshida N, Yoshikawa T, et al.: "Edaravone, a newly developed radical scavenger, protects against ischemia-reperfusion injury of the small intestine in rats"Int J Mol Med. 13. 105-109 (2004)
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[Publications] 内山和彦, 内藤裕二, 吉田憲正, 吉川敏一: "糖尿病性腎症の発症、進展と酸化ストレスの関与"腎と透析. 54. 762-772 (2003)
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[Publications] 内藤裕二, 吉川敏一: "酸化ストレス度の項目と評価"治療. 85. 2433-2436 (2003)