2003 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマイクロアレイを用いた環境汚染化学物質の毒性評価
Project/Area Number |
15390183
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
亀尾 聡美 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40312558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩橋 均 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンストレスシグナル研究センター, 主任研究員 (60356540)
佐藤 洋 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40125571)
仲井 邦彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00291336)
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Keywords | マイクロアレイ / DNA / 遺伝子発現 / 環境汚染 / メチル水銀 / 毒性評価 / 神経毒性 / 農薬 |
Research Abstract |
本研究課題においては、環境汚染化学物質の毒性評価、特に低濃度曝露により引き起こされる神経毒性発現の際の生体応答反応としての発現遺伝子を検出することを目的として、DNAマイクロアレイ技術を用いて、大量の発現遺伝子情報の網羅的なモニタリングを試みる計画である。近年、環境汚染化学物資質として水銀化合物および農薬などの有機化合物の低濃度曝露による健康影響が注目されてきている。例えば環境生態系の中で濃縮されたメチル水銀は、魚などの食物を介して、ヒトが摂取することになり、メチル水銀の低濃度曝露による胎児期神経系障害などの毒性が危倶されている。しかしながら、これまでにその毒性メカニズムが完全に解明されたわけではない。 そこで、本年度は、先ず第1に、環境汚染化学物質としてメチル水銀曝露により応答する遺伝子の検索を行うためのメチル水銀胎児期曝露の実験動物を作成した。第2に、メチル水銀の遺伝子発現検索のためのDNAマイクロアレイ実験を行うための技術的な準備を行った。また、他の環境化学汚染物質として数種の農薬のDNAマイクロアレイによる遺伝子発現検索を行った。 1.メチル水銀曝露動物の作成:実験動物としてマウスC57BL/6Crを用いた。雌マウスに妊娠前4週間メチル水銀含有餌(0、1,5ppm)にて飼育し、その後妊娠させ、胎児期メチル水銀曝露を行った。胎児期の脳神経毒性影響および他の臓器の毒性影響をみるため、仔マウスは、出生後3日目と、出生後12日目で解剖し、脳・腎臓・肝臓を摘出し、脳は、大脳皮質・小脳・海馬に分割し、ただちにマイナス80℃にて保存した。 2.DNAマイクロアレイを行うための技術的準備:本年度は、先ず、化学物質に応答する遺伝子群のマイクロアレイによる遺伝子検索を、システムが既に整っている酵母の培養系と酵母DNAマイクロアレイにより行い、thiuram、maneb、PCPなどの農薬の発現プロファイリングを行った。 また、マウス組織からのTotal RNAの抽出方法、各種のアレイの検討、ハイブリダイゼーション条件検討等を行った。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Satoh: "Behavioral teratology of mercury and its compounds"Tohoku Journal of Experimental Medicine. 201(1). 1-9 (2003)
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[Publications] K.Nakai, S.Kameo, H.Satoh et al.: "The Tohoku Study of Child Development : A Cohort Study of Effects of Perinatal Exposures to Methylmercury and Environmentally Persistent Organic Pollutants on Neurobehavioral Development in Japanese Children"Tohoku Journal of Experimental Medicine. 202(3). 227-238 (2004)
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[Publications] N.Kurokawa, K.Nakai, S.Kameo, Z.M.Liu, H.Satoh: "Relationship between the β3-adrenoceptor gene variant and body fat in Japanese children"Tohoku Journal of Experimental Medicine. 201(4). 271-276 (2003)
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[Publications] E.Kitagawa, Y.Momose, H.Iwahashi: "Correlation of the structures of agricultural fungicides to gene expression in Saccharomyces cerevisiae upon exposure to toxic doses"Environmental Science & Technology. 37(12). 2788-2793 (2003)