2003 Fiscal Year Annual Research Report
上気道内細菌遺伝子及び植物プランクトン葉緑体関連遺伝子による溺死の証明
Project/Area Number |
15390216
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
平岩 幸一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60124616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 すみ子 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50136975)
郡司 啓文 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20234643)
栗崎 恵美子 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (30106356)
水澤 郁文 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (40192356)
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Keywords | 溺死 / PCR / 常在細菌 / 死後変化 |
Research Abstract |
溺死を証明するための従来の壊機法及び我々が開発した植物プランクトン葉緑体関連遺伝子を検出するPCR法は、溺水中にプランクトンが存在することが前提である。プランクトンが少ない、あるいは存在しない水での溺死、例えば入浴中の溺死の場合には、壊機法及びPCR法は無力である。溺死の証明には、肺から循環血液中へ進入する物質を検出することが必要である。そこで、溺水中に口腔内、咽頭、喉頭及び気管内に常在する細菌が溺水とともに、循環血液へ移行することを考えた。健康人の口腔内、咽頭及び気管内の常在菌叢についてのデータはあるが、これらの常在菌が死後どのような増殖・拡散を示すかについては全く不明である。即ち、気道内常在菌が死後肺内へ拡散し、肺胞壁を通して大循環・小循環へ移行するか否かは不明である。従って、今年度は気道内常在菌が死後に血液中へ移行するか否かの確認実験を行った。溺死以外が死因と判断された解剖例のうち、死後経過時間が比較的短い解剖例から、皮膚、喉頭、気管支分岐部、左心臓血及び右心臓血の5材料について細菌培養同定検査を行った。その結果、皮膚からはStaphylococcus epidermidis, Staphylococcus aureusなど、咽頭及び気管支からはStreptococcus属,Staphylococcus aureusなどが検出された。一方、死後経過時間が24時間以内の左右心臓血中から、細菌は検出されなかった。即ち、気道内常在細菌は死後早期には、血中へ移行しないことを確認した。以上の結果をもとに、標的とする細菌を決定し、来年度はプライマーを設定してPCRによる検出法を検討する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Miwako Suto: "Phytoplankton gene detection in drowned rabbits"Legal Medicine. 5. 142-144 (2003)
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[Publications] Sumiko Abe: "A Novel PCR Method for Identifying Plankton in Case of Death by Drowing"Med.Sci.Law. 43・1. 23-30 (2003)