2003 Fiscal Year Annual Research Report
Stem cell scienceを基盤とした重症肝不全への再生療法の開発-肝幹細胞の分化・増殖機構の解明と細胞移植-
Project/Area Number |
15390224
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
河田 純男 山形大学, 医学部, 教授 (90183285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 孝治 山形大学, 医学部, 講師 (90250919)
斉藤 貴史 山形大学, 医学部, 講師 (80250918)
冨樫 整 山形大学, 医学部, 助教授 (60192209)
渡辺 久剛 山形大学, 医学部, 助手 (00332536)
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Keywords | 肝幹細胞 / oval cell line / Musashi-1遺伝子 / natchシグナル |
Research Abstract |
劇症肝炎や進行した肝硬変にともなう急性および慢性肝不全は予後が極めて悪い。これまでに種々の内科的治療法が試みられているが、十分な効果をあげるところまで行っていない。従って、これらの肝不全を治療する戦略的な治療法の開発が急務である。私どもは肝幹細胞を移植することにより、重症肝不全に対する抜本的治療法を開発することを目指している。具体的には文字通りの肝幹細胞の単離を目的として、Musashi-1(Msi-1)遺伝子をマーカーに用いてこれを実現させ、病態に応じた戦略的治療法を開発しようとしている。 平成15年度にはラット肝障害モデルにおいて、肝幹細胞であるoval cellがin vivoでMsi-1を発現していることを明らかにした。同時にラットoval cell lineにMsi-1が発現していることはすでに報告しているが、oval cellがjagged1およびnotchシグナル伝達系を発現しており、Msi-1がこのシグナル伝達を促進することにより肝幹細胞の遺伝子発現を制御していることを明らかにした。また、ラット骨髄細胞をHGF添加培養するとアルブミンを発現するが、その際にMsi-1を発現するようになる。さらに、GFP発現骨髄細胞を脾臓に移植すると脾臓には骨髄細胞は生着しないことが明らかとなった。一方、脾臓に移植された骨髄細胞は肝門脈領域に生着し、Msi-1を発現することを見出した。同時に、生着した骨髄細胞はアルブミンを発現していたが、その分布は門脈域周囲に留まっており、小葉内へ増殖することは無かった。今後、肝内での増殖を促進する工夫が必要である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kiso S, Kawata S, et al.: "Liver regeneration in HB-EGF transgenic mice after partial hepatectuny"Gastroenterology. 124. 701-707 (2003)
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[Publications] Okumoto K, Kawata S, et al.: "Differentiation of bone marrow cells into cells that express liver-specific genes in vitro"Biochem.Biophys Res Commun.. 304. 691-695 (2003)
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[Publications] Watanabe H, Saito T, et al.: "Spontaneous elimination of serum HCT RNA in chronic HCV carriers"J.Med Virol. 71. 56-61 (2003)
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[Publications] Ogata S, Kawata S, et al.: "Identification of HCV style 16 strains associated with HCC"J.Clin Microbiol. 41. 2835-2841 (2003)
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[Publications] Sugahara K, Kawata S, et al.: "Separate of ASGR in the right and left hepatic lobe using ^<99>TC-GSA SPECT"Hepatology. 38. 1401-1409 (2003)
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[Publications] Hattori E, Kawata S, et al.: "Possible contribution of circulating IL-10 to prognosis in patients with HCC"Hepatology Res. 27. 309-314 (2003)