2004 Fiscal Year Annual Research Report
エピジェネティックな異常を標的とした消化器癌の新しい治療法の開発
Project/Area Number |
15390234
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
豊田 実 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70270676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 浩三 札幌医科大学, 学長 (60117603)
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Keywords | DNAメチル化 / ヒストンアセチル化 / クロマチン / がん抑制遺伝子 / エピジェネティクス |
Research Abstract |
腫瘍細胞において、HLA-DRの発現消失の分子機構について解析した。HLA-DR遺伝子のプロモーターには異常メチル化を認めず、MHC class II分子の転写共役因子であるCIITA遺伝子の発現が一部の癌細胞で消失していることが明らかとなった。CIITAが発現消失している細胞株ではCIITA遺伝子プロモーターの異常メチル化を認め、メチル化阻害剤処理によって、CIITAおよびHLA-DRの発現が誘導された。以上の結果より、CITA遺伝子の異常メチル化が、腫瘍細胞が免疫監視機構から、エスケープするのに重要である可能性が示唆された。消化器癌におけるHypoxia抵抗性の分子機構を明らかにする目的で、Hypoxia誘導性アポトーシスに関連する、遺伝子群のエピジェネティックな異常、特にDNAメチル化及びヒストン脱アセチル化と遺伝子発現について解析した。Hypoxia誘導性アポトーシスに関連遺伝子の異常メチル化の解析を行ったところ、BNIP3にのみ、細胞株、臨床例ともに大腸癌、胃癌及び膵癌において高率にメチル化されていることが明らかとなった。BNIP3遺伝子がメチル化されている細胞株では遺伝子発現の消失もしくは低下を認め、脱メチル化剤である5-aza-deoxycytidineで処理することにより再発現を認めた。また、BNIP3遺伝子がメチル化され発現が消失している細胞株では、ヒストンの脱アセチル化を認めた。正常細胞ではHypoxia状態でBNIP3が発現しアポトーシスを誘導する。しかしBNIP3遺伝子がメチル化している癌細胞では、BNIP3が発現せずアポトーシスを回避すると考えられる。今後、脱メチル化剤によりBNIP3遺伝子の発現を誘導することにより、癌細胞にアポトーシスを誘導することが可能と考えられる。
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Research Products
(6 results)