2004 Fiscal Year Annual Research Report
不飽和リゾフォスファチジン酸による動脈硬化発症の分子機構と治療法確立に関する研究
Project/Area Number |
15390246
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柴田 克志 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70296565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 謙一郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90238105)
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Keywords | 血管平滑筋細胞 / 不飽和LPA / 動脈硬化 / SHP-2 / 新規不飽和LPA特異的受容体 / 動脈硬化発症モデルマウス |
Research Abstract |
動脈硬化発症機構は未だ不明な点が多く、本研究は不飽和リゾフォスファチジン酸(LPA)の動脈硬化発症因子としての役割の追求と不飽和LPA特異的レセプターの検索により、動脈硬化発症の分子機構と予防・治療法の確立を目的とする。本年度は以下の実験を行った。1、新規不飽和LPA受容体のクローニング:不飽和LPA受容体刺激で活性化されるEPKおよびp38MAPK系の情報伝達機構を機能の指標とした発現クローニング、また放射性標識したリガンドを用い受容体との結合性を指標としたクローニングを行っており、現在スクリーニングの最終段階に入っている。2、動脈硬化発症の細胞内情報伝達機構の解明:われわれが確立した分化型血管平滑筋細胞の初代培養系を用いて、本年は増殖因子の一つであるIGFが、分化型血管平滑筋ではチロシンホスファターゼであるSHP-2を活性化させる事により、Rasおよびその下流に位置し、血管平滑筋細胞の形質転換(分化→脱分化)に必須であるERK/p38MAPK系の活性化を遮断させる事を明らかとした(J.Biol.Chem.2004 279:40807-40818.)。この事は、血管平滑筋細胞の強力な脱分化因子である不飽和LPA刺激に対しても、SHP-2の活性化が脱分化シグナルを遮断する情報伝達経路、すなわち動脈硬化発症を抑制するシグナル伝達機構として主要な役割を担っている可能性が示唆された。3、動脈硬化発症モデルマウスの作製:現在ERKおよびp38MAPK系とSHP-2遺伝子異常(恒常的活性型および不活性型)などのシグナル伝達異常による動脈硬化発症モデルマウスを発生工学的手法を用いて作製中であり、本年は脂質合成に関与する酵素を過剰発現させる事で、脂質合成機能の異常をきたす事が強く予想されるトランスジェニックマウスを作製した。
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Research Products
(4 results)