2003 Fiscal Year Annual Research Report
循環器疾患におけるアドレノメデュリンの作用機構と病態生理学的役割の解析
Project/Area Number |
15390250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
江藤 胤尚 宮崎大学, 医学部, 教授 (10038854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北 俊弘 宮崎大学, 医学部, 助手 (70315365)
加藤 丈司 宮崎大学, 医学部, 助手 (20274780)
北村 和雄 宮崎大学, 医学部, 講師 (50204912)
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Keywords | アドレノメデュリン / アミド化酵素 / 中間型AM / AM受容体 / CRLR / RAMPs / 食塩負荷 / 受容体特異性 |
Research Abstract |
中間型AMの血管拡張作用:高血圧や心不全の患者血中では、成熟型AM(mAM)のみでなくアミド化されていないGlyがC末に付加した中間型AM(iAM)の血中濃度も上昇している。そこで、iAMの活性について、ラット大動脈を用いて検討した。mAMのみでなく、iAMもex vivoにてラット大動脈を拡張させた。アミド化酵素阻害薬は、mAMの大動脈拡張作用を阻害しなかったが、iAMの作用を阻害した。また、iAMとラット大動脈をインキュベートすることにより、mAMが産生された。以上より、iAMが大動脈壁でmAMに変換されて、作用を発揮する可能性が示唆された。食塩負荷ラットの解析:高食塩負荷時のAMの役割を解明することを目的として、ラットに高塩食(8%NaCl)を負荷した。食塩負荷28日後に血中AM濃度が上昇し、腎臓と副腎におけるAMとAM受容体のmRNA発現も増加した。食塩負荷により血中アルドステロン濃度が低下しており、アルドステロン分泌を含めた水電解質調節におけるAMの役割が示唆された。AM受容体の解析:hRAMP1の細胞外ドメインにおいて、受容体特異性を決定する部位を特定することを目的として以下の実験を行った。hRAMP1のアミノ酸残基78-80、88-90、91-94、96-100、101-103の欠損変異体を作成して、hCRLRとともにHEK293細胞に発現させたところ、91-94、96-100、101-103の欠損変異体は、CGRP結合とCGRPまたはAMによる細胞内cAMP上昇を完全に抑制した。また、78-80、88-90の欠損変異体は、AMによるcAMP反応を抑制した。一方、91-103のアミノ酸残基を1残基ずつアラニンに置き換えて、cAMPの反応性を観察したが、アラニン置換によりCGRPに対する反応性にほとんど変化はみられなかった。すなわち、この部位がCGRPやAMとの結合に直接的に関与するのではなく、間接的に受容体の特異性を決定していると考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kuwasako K., et al.: "Novel calcitonin-(8-32)-sensitive adrenomedullin receptors derived from co-expression of calcitonin receptor with receptor activity-modifying proteins"Biochem Biophys Res Commun. 301. 460-464 (2003)
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[Publications] Cao YN, et al.: "Chronic salt loading upregulates expression of adrenomedullin and its receptors in adrenal glands and kidneys of the rat"Hypertension. 42. 369-372 (2003)
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[Publications] Mishima K, et al.: "Angiotensin II modulates gene expression of adrenomedullin receptor components in rat cardiomyocytes"Life Sci. 73. 1629-1635 (2003)
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[Publications] Cao YN, et al.: "Glycine-extended adrenomedullin exerts vasodilator effect through amidation in the rat aorta"Regul Pept. 113. 109-114 (2003)
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[Publications] Kuwasako K, et al.: "Identification of the human receptor activity-modifying protein 1 domains responsible for agonist binding specificity"J Biol Chem. 278. 22623-22630 (2003)
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[Publications] Eto T, et al.: "Regulation of production and secretion of adrenomedullin in the cardiovascular system"Regul Pept. 112. 61-69 (2003)