2005 Fiscal Year Annual Research Report
循環器疾患におけるアドレノメデュリンの作用機構と病態生理学的役割の解析
Project/Area Number |
15390250
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
江藤 胤尚 宮崎大学, 理事 (10038854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 和雄 宮崎大学, 医学部, 講師 (50204912)
加藤 丈司 宮崎大学, 医学部, 助手 (20274780)
北 俊弘 宮崎大学, 医学部, 助手 (70315365)
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Keywords | アドレノメデュリン / 血管内皮機能 / 心血管線維化 / 酸化ストレス / PAMP / 心肥大 / 大腸炎症 / 大腸潰瘍 |
Research Abstract |
AMの心血管保護作用:ダール食塩感受性高血圧ラットにAMを持続投与すると、大動脈の内皮依存性血管拡張反応が改善した。AM投与により、大動脈におけるp22-phox発現と活性酸素産生が低下しており、AMの酸化ストレス抑制作用が示唆された。また、アンジオテンシンII持続投与高血圧ラットに、AMを投与すると冠動脈周囲の線維化が抑制された。AM投与により、心筋組織のα-SMAとTGF-β1の発現が抑制されており、AMが線維芽細胞活性化や線維化促進因子の発現を抑制することにより、心血管線維化抑制作用を発揮することが推測された。また、ラット頚動脈内皮障害モデルに、AMを投与することにより、血管内膜のみでなく外膜の線維増殖性変化が抑制された。これらの動物実験により、AMが内皮機能改善作用と心血管線維化抑制作用を発揮することが判明し、AMの心血管保護効果が明確になった。PAMPの心筋保護作用:AM前駆体ペプチドから産生されるPAMPを特異的に過剰発現するラット(PAMP-Tg)を作成した。野生型ラットの片腎を摘出し、食塩を負荷すると血圧が上昇して、心肥大と心線維化が生じたが、PAMP-Tgではそれらの変化が軽減されていた。すなわち、AMのみでなくPAMPも心筋保護作用を発揮する可能性が判明した。大腸潰瘍に対するAMの効果:ラット漿膜側大腸に酢酸を投与することにより、大腸炎・大腸潰瘍のモデルを作成して、AMを注腸投与したところ、大腸潰瘍の修復が促進された。AM投与により大腸組織IL-6含量が低下していたことから、潰瘍修復作用にTh-2細胞由来の因子の産生抑制が関与していることが示唆された。
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Research Products
(8 results)